ミドル級最強の男 ゲンナディ・ゴロフキンの憂鬱

2015年、引退間近と言われるメイウェザーを除けば、世界がもっとも注目する選手(人気面ではない、実力面において)こそ、ゲンナディ・ゴロフキンだ。

33戦33勝無敗、しかも30KOという凄まじい戦績をみれば、ゴロフキンの凄さが理解できるだろう。だから長らく彼はスーパーファイトの相手に恵まれず、強いが人気はない、という選手とのローカルな防衛戦ばかりを強いられてきた。
人気があって実力がある選手と戦えば、当然ファイトマネーは上がるが、彼にはなかなかそうしたチャンスが与えられてこなかった。強すぎるゆえの悲劇だ。

ところが、2015年5月16日にカリフォルニア州で行なわれた、WBA世界ミドル級2位のウィリー・モンロー・ジュニアとの試合で事情が変わった。
ゴロフキンが、幾度か相手の強打を浴びてぐらつくシーンがあったため、下克上のチャンスと見た世界中のミドル級やスーパーウェルター級のホープたちが色めき立ったのだ。
ゴロフキン本人は、メイウェザー戦か、若手スターのサウル・アルバレス(メキシコ生まれの24歳)、もしくはWBC世界ミドル級王者のミゲール・コット、あるいはパッキャオとの試合を望んだ。

ところが、結局その誰ともマッチングが成立しない。本当に気の毒なことだ。

急浮上した新星レミュー

苛立ったゴロフキン陣営だったが、そこに急に降ってわいたような朗報が届く。

2015年6月20日(現地時間)にモントリオールで行われた試合において、IBF世界ミドル級の新王者に輝いたデビッド・レミュー(34勝2敗・31KO)との、ミドル級統一王座決定戦の話が舞い込んだのだ。

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新チャンプのレミュー。なかなかハンサムだが、ファイトスタイルは白いタイソンと呼ばれるほどアグレッシブ

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レミューは、元スーパースターのオスカー・デ・ラ・ホーヤの秘蔵っ子であり、白いタイソンと異名をとるほどのファイタータイプ。
ゴロフキンのテクニックを封じて強打を当てることができるか?またはゴロフキンの、これまた強烈なパンチに耐えることができるか。非常にスリリングで面白そうなマッチメイクが実現した。

右端はバーナード・ホプキンス(元ミドル級・ライトヘビー級の名王者)。その隣がオスカー・デ・ラ・ホーヤ(6階級制覇の元スーパースター)

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