2015年8月2日、セパン(マレーシア)
スーパーバイク世界選手権(SBK)第10戦がマレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで開催され、Aruba.it Racing -- ドゥカティ・スーパーバイクチームのチャズ・デイビスは、2ラウンド連続で素晴らしいレースを披露した。レース1でジョナサン・レイ(カワサキ)とバトルして2位チェッカーを受けると、レース2では再びレイとやり合い、これを制してレース1の雪辱を果たした。前回のアメリカ・ラウンド(ラグナセカ)でクラッシュしたダビデ・ジュリアーノは、その後の精密検査でD3椎骨が骨折していることが判明し、全治3か月の診断が下された。

レース1
6番グリッドのデイビスはスタートよく飛び出し、第1コーナーで2番手につけた。9周目、レイがデイビスに追いついた後、ふたりは4秒以上も先にいるトム・サイクス(カワサキ)の追撃を開始し、残り5周時点でついに彼を捉え、デイビスが首位に立った。その後も2台は激しいバトルを演じ、チェッカーではわずか0.1秒差でレイに軍配が上がった。決意溢れるパフォーマンスを披露したデイビスに、マレーシアのファンは賞賛を惜しまなかった。

レース2
レース1と同様、絶好のスタートを切ったデイビスは、第1コーナーまでに首位を奪った。3周目にはファステストとなる2分04秒707をマークし、2位レイ以下のライダーにギャップを開け始めた。デイビスは、2秒以上のアドバンテージを維持したが、残り3周時点でリアタイヤのグリップが低下、レイの急接近を許した。最終ラップにレイが追い付き、最終コーナーでは接触さえあったものの、今回はデイビスがレイを押さえて直近の4レースで3勝目をマーク。2015年シーズン通算では4勝目を記録した。
第10戦のセパンで45ポイントを上積みし、308ポイントとなったデイビスは、ライダーズランキング2位にランクアップ。363ポイントのドゥカティは、マニュファクチャラー部門2位につけている。

レース後のコメント

チャズ・デイビス(Aruba.it Racing - Ducatiスーパーバイク・チーム#7) – 2位、優勝
「昨日の予選後は、トップ6でフィニッシュできたら上出来と考えていたので、レース1は思いの外うまく行った。おそらくは予選後に施した変更が功を奏して、トップ争いをできるマシンに仕上がったのだと思う。ただし、終盤はグリップとエレクトロニクス系で何かが失われてしまった感がある。レース2では、ジョニー(ジョナサン・レイ)が迫ってくるのがわかったが、残り2周はタイヤがほとんど終わってしまって、自分の持てるすべてを賭けてポジションを守った。またしてもフィニッシュまでバトルをすることになった。最終コーナーで接触した時は、これで終わりだ、とさえ思った。ラッキーなことにふたりとも転倒せず、しかも自分が首位でチェッカーを受けられた!セパンはドゥカティにとって難しいサーキットなので、今日のリザルトは余計に嬉しい。今日のレースで、我々がどれほど進歩したかを証明できた。ランキング2位に上がったことも嬉しい。トム(サイクス)とのポイント差もかなり縮まった。ちょっと休みがあるので、十分にリラックスして良い休日を過ごして、今後に向けて英気を養いたい。」

アーネスト・マリネッリ(Ducati SBKプロジェクト・マネージャー)
「今日のリザルトには大いに満足している。昨シーズンのセパンでは、トラブルを抱えてしまい、良いレースをすることだけでも非常に難しい目標だと思っていた。チームが一丸となってハードワークに励んでくれたからこそ、大きな進歩を遂げただけでなく、この数ヶ月で貴重な経験もできた。チャズは、巧みなライディングと勇気によって、パニガーレをトップでチェッカーに導いてくれた。数週間の休みを楽しんで、気持ちを新たに仕事に向かう。いずれにしても、今日のリザルトでチーム内の士気がさらに高まっている。ドゥカティ復活の手応えを鮮明に感じている。」

世界の主なオートバイメーカーがスーパースポーツカテゴリーの旗艦モデルを投入し、レースに参戦しながら技術を競い市販車にフィードバック、市場の拡大に繋げるために切磋琢磨しているスーパーバイク世界選手権(SBK)。このレースでのパニガーレの快進撃。これからのDucatiに期待が高まるレース結果だと思う。