MoreBikes.co.ukに、不思議なデザインのモーターサイクル用エンジンの図が掲載されていました。記事を読むと、これはパテント申請書類のもので、なんと新しい2ストロークエンジンに関するもの・・・みたいです。
ホンダ近代2ストロークの35年間。
創業期の短い期間こそ2ストロークを手がけましたが、その後ドリーム号などが主流となった1950年代半ばから、ホンダは1972年まで4ストローク専業メーカーとして活動していました。再び2ストロークを作ろう、ということになったのはもちろん理由があります。当時の主要輸出先であるアメリカでは、軽量コンパクトな2ストローク単気筒のモトクロッサーなどのオフロードバイクが爆発的人気でした。他メーカーがウハウハで儲かっているのを横目に、ホンダは指をくわえていた状態でした。
それならば最高の2ストロークを作ろう!と開発が奮起して、当時の4輪乗用車のトップモデル、ホンダ1300の開発費をはるかに上回る予算を投じ、ホンダ製2ストロークは完成したのです。その後の、国内外のモトクロスやロードレースといったモータースポーツの舞台での活躍、そして数々の公道用2ストロークの名車が誕生したことは、改めてここに詳細を紹介するまでもないでしょう。
環境問題の対応などの理由から、ホンダは21世紀の時代は再び4ストローク専業に戻ることを決定します。浜松工場での豪州向けCR250Rの生産が2007年3月27日に終了したことで、ホンダの近代2ストロークの歴史には一旦ピリオドが打たれることになりました。
そのとき、専門誌の取材で開発者にインタビューしたのですが、2ストロークの将来は・・・という質問に対する回答が、強く印象に残りました。
「目先の環境対応とかで天秤にかけると、どうしても4ストロークのほうがコストとかの面で勝ってしまいます。でも、更に効率を求めたとき、4ストロークが上げることが出来る効果は段々と少なくはなっている。部品点数が少なくてシンプル、を売りにする既存の2ストロークではなく、もう少しレベルが上がったもの……デバイスとかプラスアルファされた2ストロークなら、4ストロークに対して優位に立てる2ストロークは造ることが出来ると思います。」
商品として、私たちの手元に届く日が来るのでしょうか?
件のエンジン図を見て、最初に思い浮かべたのは上術の「回答」でした。この図からは、奇妙なクランクシャフトのデザイン、掃気ポートに燃料を噴射するインジェクション(Fig.1の70,71,74)、そして燃焼室に与えられたポペットバルブと、それを作動させるロッカーアームの存在を見ることができます。これはまさに様々な「デバイス」が加えられた2ストロークです。
残念ながら、この記事を書いている人も私と同じ機械オンチの文系の人っぽく、詳しいメカニズムについては触れずじまいで、文の締めはNSR500の公道版作って!というオチでした・・・(苦笑)。またこの情報の出所もわからず、この記事くらいでしかこのエンジン図のことは発見することができなかったので、正体については現時点ではわかりませんでした・・・面目無いです。
でも、もしもこの特許の図が、本当にホンダの新しい2ストローク車発売に結びつくのであれば・・・これは期待せざるを得ませんね。続報を発見したら、直ちに改めてご報告します!