先日、「モーターサイクル動物園? その1 英車編」というクダラナイ記事(苦笑)を寄稿しましたが、今回は懲りずに「その2」ということで日本のメーカーから発売された、動物由来のネーミングをもつモデルを集めてみました。

ホンダの動物名は原付モデルに多し

カブ(獣の子供)という名前は、1958年に登場したスーパーカブが初・・・ではありません。1952年に発売された自転車取り付け原動機、F型に初めて「カブ」という名称が与えられています。カブは大ヒットしますが、スーパーカブは文字通り「カブ」を超えたモデルであることを、アピールして名付けられたのです。

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元々、1960年代に多摩テックの乗り物や輸出市場のピーウィーバイク(子供用バイク)として作られていたZ100、CZ100がルーツ。国内向けのZ50M(1967〜)にはモンキー(猿)という名前が与えられました。フューエルインジェクションを採用した現行モデルもあり、カブに次ぐ息の長いネーミングになっています。大型燃料タンクを搭載したバージョン、「ゴリラ」も有名ですね。

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一連の「ダックスホンダ」シリーズは、犬のダックスフンドみたいに親しみやすく、背が低くて長いスタイリングから連想された語呂合わせ的ネーミングなのでしょう。なおホンダは輸出市場にもモンキーやダックスホンダを輸出しましたが、それらには動物名を与えていません。多分欧米の既存商標を回避したのではないでしょうか?

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「原宿バイク」という今ではいささか寒い広告コピーが懐かしいラクーン。ラクーンはアライグマという意味です。

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実用車として発展したホンダの3輪モデルですが、このロードフォックスは思いっきりプレジャー方向に振られたモデルでした。今の時代のほうがウケそう?

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暴走族バイクとして大人気の「ホーク」(鷹)ですが、実はこのネーミングもかなり歴史があります。そもそもは、ホンダ初の量産250ccスーパースポーツであるCB72(1960〜)の輸出名称に与えられました。なお上級モデルの305cc、CB77はスーパーホークです。ホークの名は1990年代にも、ナイトホークに継承されています。

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カワサキは1970年代トレールに動物多し

F4サイドワインダー(写真)、125TRボブキャット、250TRバイソン、350TRビッグホーンなど、カワサキは1960年代末〜1970年代前半のトレール(デュアルパーパス)に、動物名を多く採用していました。順番にガラガラヘビ、オオヤマネコの一種、野牛の一種、オオツノヒツジ・・・です。

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1985年型ヤマハセロー。今日に続くロングセラーですが、セローとはカモシカの意味です。なお最初期型の燃料タンクデカールは、カモシカじゃありえないツノが描かれており、後にちゃんとしたツノ仕様のデカールに張り替えられた・・・という有名なエピソードがあります。

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1969年型スズキT125ことウルフ(狼)。スズキはウルフの名前を何回も使っており、1980年代は原付50ccモデル「ウルフ50」、1990年代はRG系レーサーレプリカのネイキッド版「ウルフ250」「ウルフ200」「ウルフ125」がありました。なおGSX-R250のネイキッド版、「コブラ」なんてのもありましたね。

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デュアルパーパスのDR250/350系エンジンを使った単気筒ロードスポーツ、スズキグースシリーズ(写真は350)。グースとはガチョウのことですが、じつはこのモデルのグースはマン島TTコースの名物コーナーのひとつ、「グースネックコーナー」に由来します。ですから、本来ここで紹介するのにはふさわしくないのかも?

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近年の国産車動物ネーミングでベストヒットなのは、やっぱりこのスズキ「隼」でしょうね。写真は初期型ですが、このスタイリングとネーミング、そして圧倒的パワーが生み出す走りには、驚かされたものです。

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1960年代〜1970年代に輸出専業メーカーとして、アメリカにオフロードバイクを数多く輸出したホダカの代表的モデル、「スーパーラット」(ネズミ)。このモデルでオフロードライディングを覚え、親しんだアメリカ人ライダーは多いです。なおコンバット・ウォンバットというモデルもありました。

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かつての国産スクーター界の2大巨頭は、「ウサギとハト」でした。

機敏なウサギとノロマなカメが競争する童話「ウサギとカメ」は有名ですが、戦後の焼け野原からスタートした国内第一次スクーターブームを互いに競争して発展させたのは、ウサギ=富士重ラビットとハト=三菱シルバーピジョンでした。

初期のラビットスクーター。アメリカのパウエルスクーターを参考に開発されました。

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三菱シルバーピジョンのピーターC110。そのスタイリングには、当時のドイツで流行ったツーリングスクーターのデザインの影響を見ることができます。

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両メーカーともに、軍事産業から平和産業への転換を機に、親しまれやすく平和的なイメージの動物名をブランドに用いたわけです。なんだか他にもいろいろ動物名の国産車あるような気がするのですが(1950年代車とか・・・)。アタマが疲れたのでこれくらいで勘弁してください(苦笑)。次回は最終回、欧州・北米編に続きます。ごきげんよう〜。

モーターサイクル動物園? その1 英車編 - LAWRENCE(ロレンス) - Motorcycle x Cars + α = Your Life.

モーターサイクルのネーミングには、動物由来のものが数多くあります。最近は商標で使えるネーミングが枯渇気味なので、マトモ?な英語名とかはほとんどネーミングに使えなくなってしまったこともあり、もっぱら古いモーターサイクルばかりになってしまいますが・・・。今回はそんな動物由来の名前を持つ英国車をアレコレ集めてみました。
トライアンフは動物ネタ多し。
1940年型トライアンフT100タイガー。OHVバーチカルツイン500ccの5Tのスポーツバージョンとして登場しました。その名はかつての単気筒モデルから使われており、現在でもタイガー・エクスプローラーXCなどのモデルに受け継がれている息の長い名称です。
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1950年型トライアンフ6Tサンダーバード。ついつい雷鳥・・・と思ってしまいますが、サンダーバードというのはネイティブアメリカン(インディアン)の伝説の鳥で、雷を操る巨大な神鳥のことです。
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1955年型トライアンフT20タイガーカブ。カブとは獣の子供のことで、この場合は子虎ということですね。ちなみにトライアンフにはそのほか、ティグレス(メスの虎)というスクーターもありました。
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英車はいろいろメーカーがあるので、取り逃がした動物もあるかも・・・。
1949年型BSAバンタム。タンクマークにも描かれていますが、バンタムとは矮鶏のことです。独DKWのRT125のコピーモデルのひとつの、2ストローク125cc単気筒車です。そのほかBSAの鳥ネタには、ファイアーバード・スクランブラーなどもありましたね。
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1967年型BSA A50ワスプ。ワスプとは大型の蜂のことで、ワスプの兄弟車にはA65Hホーネット(スズメバチ)というのもありました。灯火類を標準装備しない、コンペ用のOHVツインモデルです。
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昆虫ネタ続きで、こちらは1955年型ダグラス・ドラゴンフライ。つまり、トンボということです。戦前、クランクシャフト横置きのフラットツインの名車を数多くリリースしたダグラスですが、戦後はBMWタイプのクランクシャフト縦置きのモデルを作りました。
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1927年型スコット・フライングスクイレル。水冷!2ストローク並列ツインという、ユニークなモーターサイクル造りにこだわったスコットの代表的モデル。その名前は、ムササビを意味します。飛ぶように速い!モーターサイクルだったのは事実です?
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ブランド名に動物の名を用いた例の代表が、パンサーです。スローピング(前傾)単気筒が特徴で、サイドカーユーザーに好まれたブランドでもありました。写真は1936年型パンサー100(600cc)です。
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名門マチレスの1931年型シルバーホーク。600ccのOHC・V4エンジンというハイメカニズムを奢った、時のスーパーバイクでした。縦置きクランクで、4つのシリンダーが左右に広がる様を羽に見立ててのネーミングだったのかも知れませんね。
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トライアンフのタイガーに比べるとマイナーですが、ちゃんとライオンもおります。こちらはサンビーム・ライオン。サイドバルブ式単気筒600ccのモデルでした。
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1959年型ベロセット・バイパー(350cc)。500ccのベノムとともに、ベロセットは戦後型のOHV単気筒スポーツモデルに毒蛇の名前を好んで与えていました。
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最後に変わりダネをふたつ・・・。
1954年型AJS E95ポーキュパイン。このニックネームはヤマアラシという意味です。4ストロークDOHC2気筒エンジンに与えられたおびただしい数の冷却フィンが、ヤマアラシのトゲに似ていたことからの命名でした。
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こちらは初期型ポーキュパインE90のDOHCツインエンジン。後期型のE95よりも、こっちの方がより「ポーキュパイン」らしい?ですね。
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こちらは1953年、ノートンファクトリーライダーとして活躍したレイ・アムが乗る通称「プロボスシス」。その名前は昆虫の吻(前方に突出した口など)や(長い)鼻を意味しています。前方に大きく伸びたアルミ製のフェアリング形状から、このように呼ばれることになったわけです。
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なんか他にもいろいろ動物ネタ・ネーミングの英車あるような気がしますが、疲れたのでこれくらいでカンベンしてください(苦笑)。その2・・・については、気が向いたら取り組みます(苦笑 part.2)。

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