日本とは圧倒的にスケールが違う、海外のオフロードライド。まるで火星を有人探査しているかのような、赤い岩山の崖っぷちを走るオフロードバイク。ちょっとでもバランスを崩すと、何百メートルも落下することになり、奇跡が起きても助かることはないだろう。
さすがのダートライダーマガジンのスタッフたちも、崖っぷちでウィリーをきめるといった、エクストリームなチャレンジは挑まずに、そろりそろりと慎重にマシンを走らせてゆく。
私のオフロード仲間には、一般的な林道ツーリングにあきたらず、地図にはない山林の獣道をバイクで走破する「ケモラー」というジャンルのオフロードライダーがいる。彼らはハードエンデューロでもこんなところは走らないよなぁっていう、道なき道を分け入ってゆくことに喜びを感じるらしい。
「走る場所を選ばない」とは、かつてのオフロードバイクの広告コピーにあったように思う。さすがに日本では、こんな壮大なロケーションで走れる場所は少ないかもしれないが、オフロードという名が車が走る道路以外の場所を示すとすると、全地球がオフロードバイクの舞台になりうるのだろう。実際に走ることはなくとも、オフロードバイクの魅力はそんな無限のロマンを感じさせるところにもあるのだと思う。
ちなみに、このムービーの解説には「あなたがパラシュートを持っていたとしても真似をしない方がいい」という内容の注釈が加えられている。オフロードライディングのプロにとっても、きわめて危険な場所だったのだろうね。良い子は真似をしないように(笑)