最近、なぜか都内でよくみかける白いZがあるんです(写真とは別物)。
それがほどよくカスタムされていて、なんともカッコイイ。

米国市場向けに狙って開発されたスポーツカー

フェアレディZ は日産が米国市場を狙って開発した量産型・低価格スポーツカーです。スタイリングはジャガーEタイプを真似たショートデッキ・ロングノーズ。
スポーツカーと言っても、ノーマル車のパフォーマンスはさほどではなく、いわゆるスーパーカーブームに乗れるほどのものではなかったため、「サーキットの狼」にも国産スポーツカーとしてはトヨタ2000GTと並んで登場したものの(車種はスカイラインGT-Rと同じエンジンを搭載したZ432-R)、子供達の人気を集めるまでにはいかなかったようです。

フェアレディZ(フェアレディゼット、FAIRLADY Z )は、日産自動車が製造するスポーツカーである。日本における通称は「Z」。いずれのモデルも「フェアレディ」を冠すのは日本国内のみで、輸出向けは「DATSUN」または「NISSAN」と社名を付して呼称される。現行モデルは北米市場を含め日本国外では「NISSAN 370Z」として販売されている。アメリカ合衆国での愛称は「Z-car」(ズィーカー)など。

ただ、フェアレディZはかっこいいスタイリングと、ほどほどの性能、割安のプライシングで、北米市場では目論見通り大ヒット。日産の躍進を支えました。
さらに日本国内でもそうなのですが、丈夫でシンプルなL型エンジンのおかげでカスタムマシンのベース車両として人気を博し、1980-90年代のチューンドカーブームの中心的存在の一つになりました。
その結晶というか、人気を爆発させることになったのが、「湾岸ミッドナイト」ですね。

悪魔のZが人気を加速

S30系フェアレディZ

ja.wikipedia.org

「湾岸ミッドナイト」第1巻より 楠みちはる©

ミッドナイトブルーのフェアレディZはフルチューンされ、600馬力・時速300キロオーバーの怪物マシン”悪魔のZ”として描かれ、深夜の首都高速道路を駆け抜ける孤独な姿に憧れる若者が続出。Z人気を決定付けました。

実際、サーキットでなら300キロオーバーを実現するチューンドZが、車雑誌などの企画でどんどん現れ、日本のチューンドカー文化は世界一と称されるくらいに進化しました。

しかし、その後現れた同じ日産のGT-R(BNR32)をピークに、車をチューンするという流行は急速にしぼみ始めます。要因はいろいろあると思いますが、メーカーのテクノロジーが急激にあがり、わざわざ改造しなくても十分すぎるほど速いというか、コンピューター制御の部分が多くなりすぎて、市中の(メーカー所属でない)技術者たちにとってはブラックボックスが増えて、手に負えなくなってきたということがあるのかもしれません。
それはオートバイでも同じで、90年代まではエンジンチューンで速くする方向のカスタムばかりだったのが、いまでは外装をファッショナブルに変えるアーティスティックなカスタムが主流なことをみてもわかります。

エンジンをいじる時代は終わり、見た目勝負の時代になったけれど、さ

空冷四発ネイキッドをカスタムしてレーサーレプリカをカモる!なんてことを夢見たのは90年代まで。いまではどんなにお金をかけてもノーマルのスーパースポーツには勝てません・・・。

閑話休題。
とにかくフェアレディZには、チューンドカーとしての、やや非合法というかアウトローの匂いがあって、不良少年にとってはたまらない、ワルの佇まいがあるんです。それはロックだったりパンクだったり、タバコの匂いだったり。とにかく、”あの頃の”カッコよさをいまだに思い起こさせてくれる車なんですよ。

そういうムードを持つ車を作るのは、日本では日産だけだった気がします。
バイクではカワサキに近い、かな。トーマス個人の意見ではありますが。

とにかく、Z、いまだに憧れます。

ちなみに、チューンドZの専門店による中古販売価格はこんな感じ!
だいたい数百万円くらい、のようです。考えちゃいますか??