元・特殊部隊であり、情報戦・破壊活動の専門家である主人公ブライアン・ミルズ。
最愛の妻と最愛の娘の前ではどこにでもいる父親にすぎないが、ひとたび家族に危機が迫ると、容赦なく敵を潰す無敵の父親へと変身する。
そのブライアンの人気シリーズ 『96時間』の最新作が『96時間/レクイエム』だ。
無敵の父親の悔やまれる挫折
ブライアンは離婚した元妻レノーアと、彼女との間に生まれた娘キムを溺愛している。彼はいままでの半生を暴力にあふれた裏の世界で生きてきたため、非常に敵が多い。そのことで何度も家族を危ない目に遭わせてきたが、その都度、彼自身で助け出してきた。そのブライアンが初めて味わう本当の挫折とケジメが本作のストーリーだ。
レノーアには現在同居している夫がいるが、愛は冷め、別れて元夫のブライアンとやり直しを考えるようになっていた。また、二人の間の娘キムは不慮の妊娠に悩んでいた。そんな中、突然、信じられない悲劇が家族を襲う・・。
家族を守る、よりも、奪われた哀しみと復讐に燃える男の最後の闘い
いままでは家族を守り抜いてきたブライアンだったが、本作では元妻レノーアはあえなく殺害されてしまう。
ブライアンはレノーアの殺害現場に(見えない敵にはめられて)居合わせ、警察に追われる羽目になる。本来逃げる必要はないのだが、裏の仕事に従事してきたキャリアと、妻の仇を自分で討ちたいという想いが反射的に彼を動かしてしまうのである。
容疑者となって各方面から追われるブライアンは、娘キムにまで魔の手が及びかねないことを知り、正体不明の敵への反攻に出る・・・。
実は僕はリーアム・ニーソンが好きでないw
しかし、彼の映画はほぼ見ている。そこに矛盾があるのだが、良い役者とは思うのだが、声質とか、やけに重ったるい演技が苦手なのに、作品としては高評価を与えてしまうのだ。
ただ、この『96時間』シリーズのリーアム・ニーソンは好きだ。
逆に言うと、嫌いなタイプの役者が嫌いなタイプの男を演じているのがマイナスxマイナスのようで感情移入できるキャラクターになっているのであるw
前作までは、娘が誘拐される話、そして元妻が誘拐される話、だった。今回は妻を守れなかったことから始まる復讐劇であると同時に、娘に迫る危機を防ごうとする父親の闘いがテーマだ。
同じようなプロットながら、上手にストーリーを紡いで、さらに激しいアクションへとつないでいる。
監督はリュック・ベンソン。さすがは、というところだろう。