お久しぶりです。ここ最近、奄美のここを書こうかな~、いや、あっちもいいな~と思いを巡らしていたところ、奄美シックになってしまい、奄美の写真を見返したり、島料理が食べられるお店に行ったり、と一人で奄美気分に浸ってました。(笑)

これからは、しっかりとみなさんにも奄美ワールドを共有していきますね。

「交き合うてぃどぅ 親戚なりゅり ~つきおぅてぃどぅ きょうでなりゅり~」

いきなり出てきて何語?と思った方もいらっしゃるでしょうか?
実はこれは「奄美語」。(笑)

ということで、今回ご紹介したいのは「島口」と呼ばれる奄美の方言について。地元の友達と話すとき、奄美に帰って近所の人に話しかけられた時、この島口を耳にすると、「あー奄美だな…」とホッとするものです。

奄美大島の倉崎海岸

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島口とは?

「奄美大島って何県?沖縄?」 「いや、鹿児島県だよ」といった会話の後に必ず言われるのが、「じゃあ、鹿児島弁話すんだね!」という一言。

ここで言っておきたいのは、奄美の方言は鹿児島弁とは全くの別物だよ、ということ。

奄美方言(あまみほうげん)または奄美語(あまみご)、奄美徳之島諸方言(あまみとくのしましょほうげん)は、琉球語(琉球方言)の内、鹿児島県奄美群島の奄美大島、加計呂麻島、徳之島、喜界島北部などで話される方言(言語)の総称である。奄美群島内諸方言を一括して「奄美方言」と称する場合もあるが、喜界島南部、沖永良部島、与論島で話される方言は沖永良部与論沖縄北部諸方言に属し、隔たりがある。2009年2月にユネスコにより消滅危機言語の「危険」(definitely endangered)と分類された

この説明を見て頂くとお分かりのように、実は奄美の方言は琉球語の仲間なんです。(奄美は沖縄じゃなく、鹿児島です!と強調したのに、ちょっと矛盾していますね…笑)

というのも、奄美は1440年から琉球王国に属していて、1609年になってやっと薩摩藩(現鹿児島県)の支配下になったのです。琉球王国の一部であったこの約160年もの間に、琉球の文化や言語、生活習慣に強く影響を受けました。そして、薩摩藩の支配下になったあとも、鹿児島県本土とは約380kmも離れているため、言語に対してはあまり制約を受けず、結果として鹿児島本土や九州に影響されない奄美独自の言語を作り上げたのです。この距離的隔たりが、今日の奄美らしさを保っていると言っても過言ではありません。

背景は分かったから、早く島口に触れたい!
そんな声も聞こえてきそうなので、少し島口に触れていきたいと思います。

奄美の方言ことわざ

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「交き合うてぃどぅ 親戚なりゅり ~つきおぅてぃどぅ きょうでなりゅり~」

冒頭に出てきたこの言葉。意味が分かったよ、という人はもう立派な奄美マスターですね。しかし、さすがにそんな方は少ないことでしょうw
でもご安心を。すぐに意味をお教えしたいと思います。

まず、「交き合う」は漢字からなんとなく意味が伝わりますが、付き合うという意味。
そして、「きょうで」と発音して親戚という漢字。奄美の方言で「きょうで」は兄弟という意味もあります。

これをまとめると「付き合ったら親戚のように親しくなる」ということわざなのです。

実は沖縄にも 行逢りば兄弟 いちゃりば ちょーでー 
「一度会えば皆兄弟のように親しく接する」という非常に似た言葉があります。

これらの言葉には、何よりも人と人との繋がりを一番大事にし、出会いこそがかけがえのない財産である、と考える島民の人情や温かさが込められているのです。

方言を知るということは、そこに住む人の価値観に触れるということなのかもしれません。
というわけで、せっかく、方言に少し触れたので、最後にもう一つ。

今日ぬ 誇らしゃや いちめりむ勝り いちむこうぐうとに あらしたぼれ

謎の暗号のようですが、これもちゃんとした奄美の方言です。そしてこの答えはまた次回!(笑)
次の更新までぜひ楽しみにしていて下さいね。