古典的なバディムービー『フルスロットル』
リュック・ベッソン監督が手がけた超絶アクション作品『アルティメット』(2004年)をハリウッドがリメイクしたものだ。
主役二人のうち、片方(ダビッド・ベル。後述)は留任。片方をポール・ウォーカー(1973年9月12日 - 2013年11月30日)が演じる。この映画はポール・ウォーカーの遺作になる。
ストーリーも設定も、ほぼ『アルティメット』のままだ。
経済的に破綻しつつある街の市長は、無法地帯と化した廃墟「ブリックマンション」に、強力無比な爆弾が仕掛けられる。その爆弾を解除するために送り込まれたのがポール・ウォーカー演じる捜査官。
その相棒は警官殺しで収監されている囚人リノ。
リノは恋人をブリックマンションに監禁されており、助けに行きたい動機がある。
肉体だけを使う超過激アクロバットスポーツ「パルクール」がベース
この映画の見所はアクションだ。
オリジナルの『アルティメット』から10年経っていて、リノ役のダビッド・ベルの顔にはシワが刻まれており、やや老けてはいるが、そのアクションのキレはオリジナルのまま。ビルからビルへと飛び回り、窓から窓に飛び移る、そのテクニックというか、身体能力は凄まじい。
実はそれもそのはずで、ダビッド・ベルは、街中を駆けまくる、道具を使わず己の肉体だけを使うXゲームとも言えるフランス発祥の競技「パルクール」の発案者であり実践者なのだ。つまり、この映画のアクションのうち、リノのアクションはすべて本物なのである。
ちなみにリュック・ベッソンは、実在するパルクール実践集団ヤマカシを題材として「YAMAKASI」という映画も手がけている。
彼のリアルアクション動画があるので、それもみてほしい↓。
ストーリーそのものはシンプル。
ただひたすら本物のアクションを見て欲しい。ブルース・リーやジャッキー・チェンの映画同様、体を張った、本当の肉体派アクションムービー。それがこの『フルスロットル』である。