ゲロッパ!(Get Up)

ジェームズ・ブラウンといえばゲロッパ。ジェームズ・ブラウンといえばセックスマシーン。若い読者はわからないかもなっ。
(彼の代表曲『「Get Up (I Feel Like Being Like A) Sex Machine」』からきてるんだけど。聴いたことくらいはあるはずだ)

ジェームズ・ブラウン(以下JB)はファンクの帝王だ。R&B、ソウルの王と言ってもいい。

その歌声、キレのいいダンス(というよりステップ)、意味不明のアッとかウッという呼吸音というか掛け声というか、とにかく歌詞にはない声音にとびきりしびれるのだ。
全盛期といえるのは60-70年代だが、そのサウンドはいま聴いても”新しい”。僕は高校生の頃からプリンスが好きで、全アルバムを持っているが、そのプリンスのパフォーマンスに多大な影響(特にステップやスタンドマイクの扱い方など)を与えたことは有名な話で、”元祖”であるJBも後追いで聴くようになった。いまではJBの方をより多く聴いているかもしれない。

ビートルズはいま聴いてももちろん楽しめるが、クラシックとして聴いてしまう気がする。しかしJBのそれは、Just Nowの普遍的な新しさを持っている、と僕は個人的には思っている。

JBの佇まいを完璧に再現

さて、そのJBの生涯が映画化された。
主役の俳優の演技とダンスがあまりに素晴らしいので、最初は気づかなかったが、彼はチャドウィック・ボーズマン。黒人初の大リーガーの伝記映画「42 世界を変えた男」で主人公ジャッキー・ロビンソンを演じた俳優だった。

さすがの演技力なのだが、JBのステップを再現しているのに非常に驚く。また、ジャッキー・ロビンソンはやり返さない勇気を持つ男だったが、JBはすぐやってしまう”短気で暴力的な”男でもある。数回の逮捕歴と数年の服役の経験も持つ。そのJBを彼は完璧に演じている。

JBを演じるのはチャドウィック・ボーズマン

jamesbrown-movie.jp

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ちなみに、この映画のサントラはiTunesなどで手に入る。
映画を見たら、もしくは気になったら、ぜひこのサントラを買ってほしい。

僕自身、ほとんどの曲は持っているし、知っているが、一つの作品として通して流してみるのも、いまの時代はなかなかないから、たまの経験として全曲を、編曲者・製作者の思惑に身を任せて聴いてみてほしい。

ファンクに身を浸したら、ぜひ小声で叫んでつぶやいてほしい。
そう、ゲロッパ(GET UP!)と。元気が出ること請け合いだ。

映画『ジェームス・ブラウン 最高の魂を持つ男』予告編

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