現在劇場公開中の「イニシエーション・ラブ」。最後の2行で全てが覆る叙述トリックでベストセラーとなった同タイトルのミステリーを、TRICKの堤幸彦監督が映像トリックに置き換えて映画化した作品です。最後の5分で全てが覆るギミックが話題の同作品ですが、ロレンス編集部的には、劇中に登場するクルマに注目してみました。

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ヤマハ ジョグ

主人公の鈴木が静岡の街を乗り回しているスクーターが、ヤマハのジョグです。映画の舞台となっている1980年代後半、当時は50ccの原付スクーターが本当に元気な時代でした。ホンダのタクトと激しい販売合戦が繰り広げられていたはずですが、ジョグのほうが人気だったように記憶しています。どうせなら鈴木の名前にあやかってスズキ・蘭にしたら良かったのにとも思いましたが・・・あれは女性ターゲットでした(笑)。

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ダイハツ ミラクオーレ

その鈴木が、恋人となった繭子(前田敦子)とデートに行くために買ったクルマがダイハツのミラクオーレです。私はギリギリ世代的に(?)ミラクオーレのことはよく知らず、その次に出たミラパルコのほうが印象に残っているのですが、このミラクオーレも当時はかなりヒットしたクルマなんですね。

今の軽自動車は結構車内が広くなっていますが、当時の軽は本当に狭かったんですね。劇中でも鈴木と繭子の距離がすごく近くて、それがまた、恋が始まったばかりの二人の心の距離を表していたように思います。

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トヨタ スターレット

転勤で東京に行ってしまった鈴木が、繭子の住む静岡との往復で走らせているのがトヨタのスターレットです。「かッとび。」のCMが懐かしいですが、劇中で使われているのはおそらくその1世代前のモデルと思われます。角張ったデザインの真っ赤なボディは、いま見てもカッコイイですね!

<CM> トヨタ かっとびスターレット

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ミラクオーレと比べると車室内が広いスターレット。こちらも鈴木と繭子が二人で乗るシーンがあるのですが、ちょうど二人の関係がギクシャクしている状況で、その距離感の変化が視覚的にも演出されていることに感心しました。堤監督、さすがです。

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カーステはアルパインとパイオニア

そのスターレットに装着されているカーオーディオは、アルパインのカセットデッキ。カーオーディオというよりカーステと言ったほうがしっくりきた時代です。テープをA面からB面に切り替えるために取り出すシーンがあるのですが、当時はまだオートリバースじゃなかったんですね。そしてリアトレイにはパイオニアのボックススピーカー。ちょうどカロッツエリアブランドに切り替わったタイミングで、スピーカーのブランド名はPIONEERになっていました。時代考証の正確さが素晴らしすぎます。

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これらの懐かしの名車が出てくるのはもちろん、音楽やファッションにヘアスタイル、黒電話やブーツ型ジョッキといった小道具など、80年代の空気が詰まりに詰まった「イニシエーション・ラブ」。散りばめられた伏線を気にしながら観るのも良いですが、懐かしポイントをチェックしながら観るのもお薦めです。

「イニシエーション・ラブ」予告

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