モーターサイクル、クルマ、自転車などの私たちが愛する乗り物たち、それら乗り物を作る工作機械、そしてその他もろもろの工業製品に使われているのが、ベアリング(軸受)です。この文明の利器のおかげで、私たちは乗り物趣味を楽しむことができる・・・と言っても過言ではないでしょう。

軸受の原理の最古の実例としては、古代エジプトでそりの下に丸太を使った例がある[2]。同じく古代エジプトの絵に火起こしに軸受を使っている様子が描かれたものがある[3]。
復元された軸受の最古の例としては、ローマ時代のネミ湖の船の遺物として見つかった回転テーブルの軸受け用の木製の玉がある。このローマ船は紀元40年ごろ沈んだ[4][5]。
軸受は輪軸の固定にも使われる。この場合に使われるのはすべり軸受で、輪軸で物を引っ張る際に軸が回転する長さより摩擦する長さを短くすることで、摩擦を大幅に軽減させる。
レオナルド・ダ・ヴィンチは、ころ軸受の絵を1500年ごろに描いており、これが世界初とされている。しかし、そのような軸受の絵を最初に出版したのは Agostino Ramelli で、1588年にころ軸受とスラスト軸受の絵を掲載した本を出版している[2]。玉軸受には、玉同士が擦れあって追加の摩擦を生じるという問題があるが、それぞれの玉をかごに入れて互いに擦れないようにすれば問題を避けることができる。このような技法を採用した玉軸受は、1600年にガリレオが記述しているのが最初である。しかし、そのような玉軸受はその後も長年作ることができなかった。玉軸受用の玉を挟む輪(レース)の最初の特許は、1794年、カーマーゼンの Philip Vaughan が取得した。

説明が面倒なので(苦笑)、Wikipediaを引用しちゃいましたけど、要するに摩擦を大幅に減らすことができるのが、各種ベアリング(軸受)の素晴らしさなんですね。モーターサイクルの場合、前後ホイールのアクスル、ステアリングヘッド部、スイングアーム部、そしてエンジン内部などにベアリングは必ず使われているのです。

様々なモノを発明した天才、レオナルド・ダ・ヴィンチ。1452年生〜1519年没と日本語版Wikipediaにはありますが、上のベアリングの引用文では"1600年にガリレオが記述"とか書いております(笑)。

wordsforest.com

いろんなサイズのボールベアリング。そのほかのベアリングにはローラーベアリングやメタル軸受などがあります。

www.minebea.co.jp

モーターサイクル用エンジンのクランクケースに、圧入されたベアリングが見えます。これらのベアリングは、クランクシャフトやギアボックスのシャフトなどを支持します。

pds.exblog.jp

今後の発展が楽しみな技術。

何気にニュースサイトを見ていたら、そんなベアリングの革新!と呼べるADBベアリングが紹介されていました。開発したのは、株式会社 空(クウ)スペースという日本の会社。こちらが作ったボールベアリングの一種、ADBベアリングのなにがすごいのかというと、"保持器"が不要というところです。保持器とは何ぞや・・・説明が面倒なときは、引用に限りますね(笑)。

保持器はタマやコロなどの転動体が内輪や外輪から外れないように同じ間隔に保ったり、転動体同士がぶつかって、まさつが大きくなるのを防ぎ、なめらかな回転になるように助けているんだよ。

・・・とまあ、保持器のおかげでいろいろ良いことがあるのですが、一方では保持器がなければもっと摩擦損失のないベアリングを作ることができます。その保持器のないADBベアリングは、この絵のような構造になっております。

アウターベアリングに設けられた"分散起点"が、ADBベアリングの特徴です。

www.coo-space.com

ベアリングの保持器のいろいろ。その名のとおり、ベアリングの玉の位置をキープする役割を果たします。

www.our-think.or.jp

まぁ、こちらの映像をご覧頂けば、保持器のある通常のベアリングより、ADBベアリングのほうがクルクルよくまわる=摩擦抵抗が少ないというのがわかると思います。

滑り摩擦をなくしたオイルフリーなベアリングを開発

youtu.be

もっと詳しく、動作と原理を知りたい方は、こちらもあわせてご覧ください。

自律分散式転がり軸受(ADB) 動作と原理

youtu.be

この日本発の技術が、私たちの乗り物ホビーライフにどのような恩恵を与えることになるのか・・・今後の発展を楽しみにしましょう。