ハコスカこと日産スカイラインGT-R(S20エンジン系(1969年-1972年)

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40代以上のクルマファンであれば、間違いなく日本を代表する名車の一つ、に挙げるだろう。
それが、初代GTーRこと、C10型、もしくはエンジンの型式からS20エンジン系と呼ばれるこのクルマだ。発売された1969年当時では最高レベルのパフォーマンスカーでありながら、クーペではなく、セダンのスタイリングを持っていた。四角いボディから、ハコスカ、という愛称で親しまれた。

スカイライン、それもGT-Rといえば、1970年代から現在にいたるまで、日産のフラッグシップであり、世界に通じるハイパフォーマンスカーの一つだと言える。

GTーRの立ち位置

現在のGT-Rは型式ではR35と呼ばれている。
見るからに速そうであり、実際すさまじく速い。

発売当初こそ700万円台で販売されていたが、現行のバージョンでは、

4WD VR38DETT GR6型デュアルクラッチトランスミッション
GT-R Pure edition GT-R Pure edition
9,477,000円 (消費税込)

4WD VR38DETT GR6型デュアルクラッチトランスミッション
GT-R Black edition GT-R Black edition
10,400,400円 (消費税込)

4WD VR38DETT GR6型デュアルクラッチトランスミッション
GT-R Premium edition GT-R Premium edition
10,587,240円 (消費税込)

4WD VR38DETT GR6型デュアルクラッチトランスミッション
GT-R Track edition engineered by NISMO
GT-R Track edition engineered by nismo
11,700,720円 (消費税込)

と、ポルシェ911(ターボなしのプレーンなモデル)なみの金額になっている。
ある意味、その金額に見合う、スパルタンなスタイリングを持つべきだし、世界中のスポーツカー、スーパーカーが、そういう絶対性能と他を寄せ付けない最高速度を持っていることを、見てすぐわかるようなデザインを採用しているから、それに倣っていると言える。

羊の皮を被った狼だった初代GTーR

しかし、初代GTーRは上述のようにセダンであり、一見それほど速そうに見えない。
こうした、見た目は大人しめなのに、実はめちゃくちゃ速い、いわゆる羊の皮を被った狼、という表現は、1960ー70年代の日本人の好みを象徴しているが、2010年代には流行らないのかもしれない。

しかし、セダンを中心にしておきながら、パワフルなドライビングカーとして人気を誇る、BMWに通じる文法であると言える。ということは日本車にも、あえていまこの文法を引っ張り出して、大人のクルマファンの気持ちを惹くことはできるのかもしれないのだが、どうだろう。

日本人のクルマ離れはかなり根深いが、やはりスポーツカーや高級セダンが売れなくなった、ということが大きい。
このクラスのクルマでは、圧倒的にメルセデス、BMW、アウディが強く、日本車の存在感は非常に薄い。そしてスポーツカー、要は趣味性の高いクルマとなると、フェラーリ、ランボルギーニ、ポルシェ、マセラーティなど、幾多の外国車メーカーの前に、日本車は全く入る隙間がない。
日本メーカーが力を入れないからそうなるのか、入れても勝てないからそうなるのかはわからない。

ハコスカや、トヨタ2000GT など、過去には燦然と輝く名車があり、日本の男の心を鷲掴みにしたクルマは少なくない。

現代のハコスカ、性能だけではなく、セールスと直結する素晴らしいクルマの登場が強く待たれるところだ。