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W型3気筒エンジンを搭載するBMW W3 Cruiser Concept

以前より、BMWがW型3気筒エンジンを開発しているのでは、ということが欧米のメディアで話題になっていた。W型3気筒エンジンの特許も取得しているようで、この新しいエンジンに期待感が集まっているようだ。そんな中で、完成度の高い「BMW W3 Cruiser Concept」と呼ばれるマシンが話題になっている。

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大排気量クルーザーで巻き返しを狙う?

この3気筒エンジンの図面は、BMWが出願している特許の一部のようだ。BMWはボクサーツインエンジンを搭載した、BMW R1200Cというクルーザーモデルをラインナップしていたが、あまり成功したとはいえないのではないだろうか。このクルーザー市場に全く新しいコンセプトのW3を投入して、巻き返そうとしているのかもしれない。

実は歴史が古いW型3気筒エンジン

W型3気筒エンジンとはあまり馴染みのないレイアウトだが、その歴史は実にオートバイの誕生期にまで遡り、1906年にイタリア人のアレッサンドロ・アンザーニさんによる、W型3気筒エンジンがすでにバイクに搭載されていた。このエンジンは後に航空機にも搭載され、1909年にはドーバー海峡を横断することになる。V型2気筒エンジンは、コンパクトで高出力を実現するエンジンレイアウトとして、いまもバイクのエンジンの主流のひとつだ。ところが、W型3気筒エンジンもまたコンパクトなクランクケースで、多気筒化を実現するレイアウトではあるのだが、これまで一般化することはなかったようである。

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すでにハーレー・ダビッドソンで試みられていた現代版W型3気筒エンジン

このエンジンレイアウトは2000年に突如復活することになる。アメリカのエンジンビルダーである、Jim Feulingさんがハーレー・ダビッドソンのエンジンを使って、1気筒追加した「Feuling W3」というW型3気筒エンジンのカスタムキットを発表したのだ。写真をご覧の通り、これはハーレー・ダビッドソンの大排気量エンジンを、大変更を加えることがなく1.5倍に排気量アップすることができるアイデアだ。これはキットとして19750ドルで実際に販売されていた。

発明されてからおよそ110年の時を経て、BMWが挑戦しようとしているアイデアは、ライダーたちにどのように受け止められてゆくのだろうか。そもそも実現するのかということもあるが、「駆けぬける喜び」を提供するメーカーとして、BMW W3 Cruiser Conceptが、私たちにまた新しい体験を運んでくれることを期待したい。