5月3日に鎌倉・七里ケ浜で開催されたデウス・エクス・マキナ主催の「BIKE BUILD OFF」。午後3時を回るとカスタムコンテストの結果が発表された。本部前のエルカミーノのベッドが即席のステージとなり、順番に受賞者が発表された。
まずは観客みんなで投票して、最も人気があったPeople's Choiceを受賞したのは、エントリーナンバー72・木下 敏之さんのHonda Spacy 50。これはとても可愛くて会場で最も注目を浴びた1台ではないだろうか。実際に得票数もダントツだったそうだ。
第一回の会場となった鎌倉・七里ケ浜を記念して授与された、ローカル賞はエントリーナンバー10・高原 栄三さんのHonda リトルホンダP25。これは珍しい。1966年に発売されたペダル始動のモペットタイプで、リアホイールの中に50ccの4サイクルエンジンが内蔵されている。高原さんは都内を前日に自走で出発して、この会場までやってきたとのこと。受賞もひとしおだったのでは。
第三位はエントリーナンバー5・小野 令夫さんのHonda Super Cub。スーパーカブをベースに、フルサイズのトライアルバイクに仕上げられた見事な1台。小野さんはこのマシンで、実際にトライアル競技にも参加されているそうだ。
第二位はエントリーナンバー94・田代 桂さんのH-D XL1200S。同じハーレーのカスタムビルダーである、チェリーズカンパニーの黒須嘉一郎さんから、満面の笑顔でトロフィーを受け取っていた。
そして審査員の伊勢谷友介さんから、日本での第一回 BIKE BUILD OFF の栄えある優勝者が発表される。
記念すべき第一回の優勝者は、エントリーナンバー22・下山 海太郎さんのHonda American Dax。下山さんはご兄弟でカスタムバイクが好きで、ガレージなどはないのでなんと5階の自宅マンションで、このマシンをいじっているとのこと。このカスタムバイク愛も含めて優勝の栄誉に輝くことになった。審査員の評価もBIKE BUILD OFFのスピリッツを感じるものだ。
優勝者から第三位の受賞者に贈呈されたトロフィー。これらはあのチャボ・エンジニアリングの木村信也氏によって製作されたものだ。このトロフィーを製作している様子は ご本人のブログ で見ることができる。
受賞者と審査員のみなさんで記念撮影を行い、第一回の「BIKE BUILD OFF」が閉幕した。日本で初開催されたこのカスタムバイクショーは、バイクに対する情熱や愛をとても感じさせるイベントだった。「お金を掛けず、何にもとらわれず、己の工夫と果てることの無いバイクへの熱い情熱で作りあげる」。受賞者たちのカスタムマシンはどれもそんな情熱によって、出来上がったものばかりだ。このBIKE BUILD OFFが、今後の日本のバイクシーンに何かしらの波紋を広げてゆくのだろうか。いやいや、そんな理屈より単にカッコいいじゃん、という純粋な気持ちを大切にした方がいいのだろう。