シンプルな単気筒エンジンのカフェレーサー。ヤマハSRでよく見られるオーセンティックなカフェスタイルですが、あまり見たことがないエンジンはどこかの外国車のものでしょうか。これは1986年に日本でも発売された「スズキLS650サベージ」というアメリカンバイクのカスタムです。
LS650サベージは単気筒としては大排気量の650ccバーチカルシングルを搭載して登場した異色のアメリカンでしたが、Vツインエンジンが主流のアメリカンスタイルにおいて、あまり人気がなく国内ではわずか3年で姿を消した稀少車となりました。
日本でも珍しいこのマシンをカフェレーサーとして生まれ変わらせたのはオーストリアの「AW Classic Motors」。サベージの特徴でもある大きく直立した、シンプルなデザインの単気筒エンジンを活かしてシックなカフェレーサーに仕上げています。
カフェレーサーのお手本のようなスタイルながら、低く高さを抑えたティアドロップ型タンクと短いシングルシートにより、ひときわ存在感を増したレアなサベージのエンジンが誇らしげです。かつて目立たなく人気がなかったクラスメイトが、大人になって見違えるようにカッコよくなっていたような驚きを感じるカスタムですね。
海外のカスタムシーンでは、日本で不人気車種となっているレアな車種を発掘してカスタムする例も多く見受けられます。このAW Classic Moyorsでも不人気車種の代表のようなHonda CX500をベースにしたカフェも手がけています。日本でカスタムといえばZ1やローソンレプリカなどをマッチョに改造するスタイルが今でも人気ですが、Z系は海外でも高価になっているのか、サベージのように1980年代に登場した多様な日本製バイクをベースに、新しいスタイルを見せてくれます。