1973年に創業した「モリワキエンジニアリング」は、世界のレーシングシーンにおいて数々の偉業を刻んできた、日本に冠たるレーシングコンストラクターです。年輩の世代ならヨシムラと同様に、赤地に白く抜かれたカタカナのモリワキステッカーを、誇らしげに愛車に貼った覚えがある方も多いのでは。あるいは鈴鹿8時間耐久レースでのモリワキモンスターの伝説に胸を熱くした若い頃の思いででしょうか。

第42回東京モーターサイクルショーでは、世界的に注目が集まっているカスタムシーンに応えるように、欧米メーカーを中心としてメーカーカスタムも多数展示されていましたが、その中でも完成度と存在感で異彩を放っていたのが、このモリワキ「CB1100 EX Cafe」です。

ひときわ目を惹く美しいタンク・シートは、アルミから総削り出しされ高度な技術で溶接された造形美が、力強いCB1100EXのエンジンと相まり絶妙なクラシックテイストを醸し出しています。モリワキといえばもちろんエキゾーストシステムですが、4本だしのストレートなマフラーをはじめ、トップブリッジや各部のステーやカバー類に至るまでオリジナルで製作されたカフェレーサーは、世界中のカスタムコンストラクターたちが息をのむ音が聞こえてきそうな仕上がりです。

2014年11月に鈴鹿サーキットで開催された創業40周年記念イベント「モリワキ祭」で初公開されたこのカフェレーサーは、「モノづくりの楽しさを豪快に追求する」というコンセプトにより、最新の5軸マシニング機や三次元プリンターなどを駆使して開発・製作され、カスタムとしては究極の贅をつくしたモリワキ渾身のスペシャルモデルです。これらのパーツは一部を除き商品化も視野に入れているというので楽しみですね。