出典:Wikipedia


Kawasaki 500SS Mach III

通称マッハ。もしくはマッパ。

1969年に登場した、文字通りの”前世紀の怪物”。
空冷並列3気筒ツーストロークという、現代では見ることができない特殊な動力源を持ち、500ccながら実に60馬力を発生させます。

トーマスもハマったカワサキの90年代の傑作 Zephyr χ(399cc。1996年バージョン)が53馬力だから、その30年も前のマッハの60馬力というパワーが、いかにすっごいかわかりますよね!!
車体とか、サスペンションとかタイヤなどが、このパワーに追いついていなかった時代なので、無茶な走りして、事故を起こしてしまうライダーも多かったと聞きます。

H1 主要諸元(1969年モデル)
製造初年:1968年(1969年モデルから)
全長×全幅×全高:2,095 × 840 × 1,080 mm
メインフレーム:鋼管ダブルクレードル
サスペンション形式:
フロント:テレスコピック
リア:スイングアーム
ブレーキ
前輪:ドラムブレーキ(ツーリーディング)
後輪:ドラムブレーキ(リーディング・アンド・トレーリング)
乾燥重量:174 kg
エンジン形式:KAE 型(空冷2ストロークピストンバルブ並列3気筒)
総排気量:498.7cc
ボア×ストローク:60×58.8mm
圧縮比:6.8
最高出力:60hp / 7,500rpm
最大トルク:5.85kg-m / 7,000rpm
点火方式:バッテリー式CDI
(Wikipedia)


前世紀の怪物であり遺物。でもそこがいい

思うに、その後1970年代に入って登場したZ1/Z2は、今でも通じるバイクというか、現代のバイクの始祖のような存在ですね。形を見ればわかるように、最近のストリートファイターと呼ばれる高性能ネイキッド(カウルがついてないバイク)は、Z1/Zの延長線上にあると思うんですが、このマッハはやはり見るからに古臭い形をしています。スピードやパワーを追求していながらドラムブレーキだし。Z1/Z2以降は、少なくともフロントブレーキはディスク化され、やがて前後輪ともに、そしてシングルディスクからダブルディシクへと変わっていきます。(ドラムブレーキはディスクブレーキに対して、全然効きが悪いです。この違いはこのサイトで確認してみてください)

つまり前世紀の怪物であり遺物って気がします。

©東本昌平|RIDE74 | モーターマガジン社

それでも、いや、だからこそ、前時代の古臭いフォーマットで設計されて、その昔の技術の最後の最後の総仕上げ的に作られて、めちゃくちゃ速くて、安全とか快適さを度外視して、とにかくパワーを振り絞った、無茶で無理に無理を重ねたバイク。
そういうストーリーが、いまになってみると、ノスタルジックなだけでなくて、何気にセクシーなんですよね。

どんなに頑張っても、目を三角に釣り上げて走っても、現代のバイクには勝てないわけで、それなら老いた元スーパーバイクとして、ゆったり走ればよく、そうすれば、楽しく安全に走れますからね。

いま買ったら、程度のいいモデルだと、300万円くらいしちゃうかもなあ・・・・。
でも、うっかり買っちゃいそうなくらい欲しいなあ・・・・・。(このシリーズ、多分続く)