みなさんは好きなレーサーやライダーっていますか? 私にはいっぱいいます。映像や写真でしか知らない存在・・・スターに思いを寄せるのってある意味滑稽ですけど、手が届かないからこそスター・・・だとも思います。英国最後のグランプリ最高峰王者のバリー・シーンは、そんな存在のひとりです。


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バリーのお父さんのフランクは、2ストロークチューニングの達人でした。父のチューンしたブルタコに乗り、バリーは1960年代末からロードレースのキャリアを本格的にスタートさせました。20歳のときに英国選手権125ccクラス王者になったバリーは、中古のスズキワークス125ccをS.グラハムから購入。1971年の世界グランプリで、目覚ましい活躍を見せました。


世界を魅了したレーシングライダー


トントン拍子でスターダムを駆け上がったバリーは、スズキワークスと契約。1973年には欧州F750王者を戴冠。1975年はシーズン当初の米デイトナ200で大クラッシュし、その選手生命を危ぶまれる大怪我を負いましたが、見事復活して1976年にスズキ初となる世界GP500ccクラスのタイトルを獲得。そしてその翌年も防衛を果たしました。


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結末から言えば、その後のバリーは強敵ケニー・ロバーツたちのライバルに及ばず、王位奪回を果たせぬまま1984年に引退しました。しかし、選手としてのキャリア云々は置いておいて? バリーは紛れもなくスターでした。その甘いマスクと陽気なキャラクターは老若男女からアイドル的に愛され、当時のメディアはバリーのゴシップや発言を報道することに熱中しました。


ピープルズ・チャンピオン


バリーの横には、美しいロードレーサーと美女がよく似合います。当時から4輪F1のジェームス・ハントとともに、その男前ぶりが比較されましたが、2輪贔屓のせいもあるかもしれませんがやっぱりバリーのほうがハンサムだと思います。そんなバリーはペントハウスのモデルとして一斉を風靡したステファニーと熱愛の末1984年に結婚し、一男一女をもうけています(一番最初に掲載した写真の、サインボートを持つ美女がステファニーです)。


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ちなみに、ロッシの46、ニッキーの69、マルケスの93、ロレンソの99など、チャンピオンナンバーを付けずに固有のナンバーに執着するライダーは今日珍しくありませんが、その先駆けはバリーの「7」でした。バリーの「7」に対する執着は徹底していて、滞在するホテルの部屋番号やらいろんな「7」にこだわったのは、彼くらいではないでしょうか? 昨今のパーソナルナンバーは多分にビジネス色が強いですけど、バリーはそれよりもジンクスを重んじていたように思えます。


引退後のバリーは、レース解説をつとめたりしていましたが、1980年代末にはオーストラリアに移住しました。そして時々ヒストリックロードレースイベントに参加するなど、ファンの前に変わらない陽気な笑顔を披露していました。個人的な思い出ですが、1998年にオランダのアッセンで開催された「センチニアル・クラシックTT」というイベントで、バリーの半径50cmに近づき、ふた言くらい話をすることができたときは、超コーフンしました(笑)。


コーフンのあまり、何を話したのかはよく覚えていません(苦笑)。確か1966年のホンダの50ccワークスGPレーサー、RC116にまたがったバリーは、エンジンを15,000rpmで暖気しながら「子供のころの憧れのバイクだよ、すごい、感激だよ」と少年のような笑顔で言ってました(おおよそ間違ってはいないはず・・・です?)。


出典:http://api.ning.com/files/OhGxAJDwN8AbaYnVfi7itH9l82NiuiLIZWEdo3*qVctYuI6KNtGs-b8f3uzxZNdFuLunDHs


ヘビースモーカーだったゆえか、バリーは2003年に51歳の若さでガンにより亡くなりました。それからすでに10年以上の時が過ぎていますが、今でも映像や写真のなかのバリーを見ると、私の心はたかまります(ゲイ的な意味ではなく?)。そのカリスマ性からロッシと比較されることもありますが、古き良き時代の美化を抜きに、やっぱりバリーがGP界では一番のアイドルだと思います。そこも魅力のひとつですが、ロッシは腹黒さが透けて見えるので(笑)。


出典:SheeneLegacy

こちらのDVDはまだ未見なのですが、きっとバリーのファン、そしてそうでない方にも必見の映像だと思います。テレビ東京あたりで、オンエアーしてくれないですかね?(笑)。