40年以上前のバイクでキャブ使用だから、まだ夏の終わりなのに簡単にはエンジンはかからない。
チョークを引いてセルを回しても、十数秒は待たなければならない。数回チャレンジしてようやくかかる。
それでもすぐに、チョークを戻せばエンジンは止まる。回転数が安定するまで、どうしても数分暖めてやらなければならない。
この季節でこれでは、冬が思いやられるが、それでもこの儀式こそが、空冷Zと付き合っているための、一つ目の試練であり、これを楽しめなければ乗る資格がない。
あなたがもし、憧れ続けた美しい異性を恋人にできたとして、低血圧で朝の機嫌が常に悪いからといって交際をやめるだろうか?
そういうことさ。