『バタアシ金魚』(©講談社「週刊ヤングマガジン」& 望月峯太郎先生)は、バイクマンガとは違うんですが、主人公 花井薫(カオル)がバイク乗りなんですねえ。
望月先生といえば怪作『バイクメ〜ン』を描かれているように、バイク好きで有名ですから、本来バイクとは関係のない、水泳と恋愛の青春漫画にもバイクを登場させてしまうんですねえ、いいですねえ。
一途に大好きな女の子のために頑張るけど、ちょっと押しつけがましくてねじ曲がっている少年の悲喜劇
主人公のカオルは、中耳炎気味の持病がありながら、大好きな女の子ソノコの後を追って、水泳部に入っちゃいます。
そもそも負けず嫌いが半端ないカオルは、最初こそ水泳自体にはあまり興味がなかったのに、ソノコにいい格好をしたいこともあって、どんどん水泳にのめり込んでいきます。
カオルはソノコが大好きで、他の女の子にはまったく目もくれない一途さと頑固さなんですが、ちょっと愛情表現がずれてて、変人ぶりを爆発させてソノコをイライラさせたり、うんざりさせ続けます。
なんだけど、カオルはバカだけど一途なパワーと、負けず嫌いから生まれる強烈なエネルギーと集中力はすごくて、ソノコにしても カオルを無視することができないんですね。やがてソノコはカオルに惹かれている自分をみつけちゃって悩んじゃったりします(可愛い)。
まっすぐでパワフルな少年に元気をもらおう
本作は終始 ちょっとずれた頑張りで周囲を困らせてしまうけど、結局周りの人たち全部を巻き込んでしまうパワフルな少年の恋物語。
根拠のない自信にあふれるカオルですけど、生活力はハンパないし結構いいやつ。例えば、なんでもできてイケメンなのに、敢えて苦手な柔道を選び、先輩たちにこき使われて惨めな立場になってもめげずに頑張る友人をみて、本気で”こいつかっこいい!”と憧れちゃったりするんです。つまり見習うべきところをもっている相手には、素直に認めちゃうという性格のよさをもっているんですね。そこが単なるアホじゃない。
だから、ソノコちゃんがカオルに恋をするのも、わからなくないんです。
だって自分のコト本気で大好きで、自分のためにいろいろ頑張って、しかもイイものはイイと認めることができる男の子なら、好きになってもしょうがないと思いません??
さあ、読んだことない人は、いますぐ手に入れて、寒さをぶっ飛ばす元気を手に入れちゃってくださいな。