そして、いま。私の心の十数パーセントを占める一台の車。それがABARTH(以下アバルト)。イタリアが生んだ小さなサソリ、なのである。
ご承知のことと思うが、アバルトがチューニングのベースとするのは、イタリアの国民車とも言える『FIAT 500』だ。その小さくて可愛らしい、いい意味でとても凡庸な一台がカスタムされて、サソリと称される毒気を注入された車、それがアバルトである。
創業者カルロ・アバルトの名を戴く老舗ブランド
アバルト1950年代から70年代にかけて、大衆車であるフィアットをベースとしたカスタムマシンで多くのレースに出場していたことで知られている。創業者はオーストリア出身のカルロ・アバルト。
彼はマフラーなどのパーツを売るための宣伝場所としてサーキットを選び、実績を挙げることで、成功を果たしたのだ。
フェラーリのようなスーパーカーではなく、誰にでも手が届くフィアットの大衆車ベースのレーシングマシンを作り上げ、そしてレースで勝てるパフォーマンスを証明したことで、アバルトの名は親しみやすいけれど走らせたらとっても速いという、実にセクシーなブランドイメージを確立したのである。
その後アバルトは経営不振に陥り、フィアットの傘下に入るが、そのブランドはいまでも輝きを失わない。
現在のアバルトは、フィアットのFIAT500をベースに、ABARTH500、595シリーズを製作・販売しており、メルセデスにおけるAMG、BMWにおけるM社のような役割を果たしている。
ベース車にして既にセクシー
アバルトの最もベーシックなモデルは、ABARTH500だ。
現在では4種類のカラーバリエーションを用意し、ダイレクトな走りを楽しみたい向きにはMTモデル、快適さを追求する向きにはATモデルを用意している。
車重1,110kgの軽量ボディに、直列4気筒DOHC 16バルブ インタークーラー付ターボ1,368ccの心臓を積み、MT135馬力・AT140馬力を発生させる。サソリのマークは伊達じゃない。
トランスミッションは2種類を用意。
MTにする?ATにする?
カラーは4種類。あなたならどれを選ぶ?
グレー、レッド、ホワイト、ブルー。どれを選ぶ?
ABARTH 595Cも選択肢になる。
さらに、最高出力160馬力で最大トルク 21.0kgm(SPORTスイッチ使用時 23.5kgm)のハイパフォーマンスモデル ABARTH 595もある。
特に、キャンパストップはオープンカー好きの私にはたまらない装備で、女子ウケも相当に高いはずだ。小さな車はやはり車内が狭く感じられるので、屋根を開けられる開放感は実にありがたいだろう。
さらに猛毒に心を浸したいなら・・・695biposto
予算に上限をもたさないなら、史上最速のアバルト、ABARTH 695bispostoはいかがだろう??
THE SMALLEST SUPERCAR
走るための天賦の才とともにサーキットに降臨。 2シーター、190馬力、そしてドグリングトランスミッション 。 これがアバルトのレシピだ。
卓越したテクノロジー、究極の走りへのパッション、 やむことのないアドレナリン、そして...狂気を一滴。
乾燥重量 997 kgに190馬力を発揮する直列4気筒 DOHC 16バルブ インタークーラー付ターボ1,368ccの心臓を積む 695bisposto(フルスペックバージョン)は、パワーウェイトレシオ 5.2と、高性能スポーツカーそのもののスペックを誇る。静止時から時速100キロ到達までに、わずか5.9秒、というから驚きだ。
この695bispostoは、フルスペック装備の最上位モデルで税込8,456,400円(税別7,830,000円)となる。ポルシェならボクスターが買えてしまう価格で、正直これに手をだすのは相当に迷うことになるだろうが、それでも、所有欲を十分に満たす、通ならではの一台であることは疑いない。
身悶えするほど強烈なサソリの猛毒に、身も心も浸す勇気、あなたにはあるだろうか。
小さくて速くてセクシーなABARTH。
あなたは欲しくなりましたか?
ご回答ありがとうございました。参考にさせていただきます。