2010年の栄光と悲運からの、"グレートカムバック"
2010年のTTウィークで、5勝をマークという前人未到の記録を残したハッチンソンですが、その後に出場したシルバーストーンでのレースにて、キャリアを途絶えさせるほどの足の大怪我を負いました。栄光と悲劇が混在した2010年から約5年を経て、TTのポディウムの中心に帰ってきた彼は、紛れもない英雄と言えるでしょう。
先日のスーパーバイクTT決勝同様、このスーパースポーツTT1もハッチンソンと、ニュージーランドの"髭面の最速男"、ブルース・アンスティ(ホンダ)の一騎打ちの様相でレースが展開されました。スーパーバイクTTではアンスティに凱歌が上がりましたが、その雪辱を晴らす形で今回は7.7秒差の接戦をハッチンソンが制しています。
ちなみにハッチンソンが属した「チーム・トラクション・コントロール」は、英国を代表するテクノ・エレクトロ系バンドのひとつ、「ザ・プロディジー」のフロントマンのキース・フリントがオーナーです。キースのモーターサイクルへの熱い想いについては、こちらの記事をご参照ください。
そのほかのリザルトを紹介しましょう。4位リー・ジョンソンと5位ガイ・マーチン(ともにトライアンフ)。ガイ・マーチンはピットの速度違反で30秒ペナルティを課されたのが痛かったですね。6位はスーパーバイクTTで3位入賞のジェームス・ヒリアー(カワサキ)。現役TT最多勝の記録更新にのぞむジョン・マクギネス(ホンダ)は、7位にとどまりました。
ハッチンソンとアンスティの好調が明らかになった今、最終日のプレミアクラス、セニアTTでのハイレベルなふたりの戦いがますます楽しみになりました。はたまた、このふたりにストップをかける新しいヒーローは登場するのでしょうか? 楽しみです!