気になる、ドゥカティの特許・・・
現地時間27日までの3日間、ドゥカティはGP17のテストを行ってました。元MotoGP王者のケーシー・ストーナーも起用してのテストでしたが、そのGP17のシートカウルに付いた"箱"について、メディアの間では大いに話題となりました。
実は数日前、ドゥカティの「とある特許」についても、世界中で大いに話題になっていました。それは特殊なエキゾーストシステムに関する特許なのですが、なんとその構成が、ジェット戦闘機のエンジンの、コンバージェンス・ダイバージェンス・ノズルみたいになっているのです!
廃止になったウイングレットの代わりに、排気でダウンフォースを得る?
いろんなサイトでこのドゥカティの「ジェット戦闘機みたいな排気系」については、昨年限りで廃止となったフェアリングに付ける"ウイングレット"の代わりに、ダウンフォースを得る目的なのではないか・・・と推理しています。
一説には、ドゥカティがここ数年熱心に開発していた、ウィリー防止のウイングレットは、およそ最大40kgのダウンフォースを発生した・・・と言われています。このドゥカティの特許は、レギュレーションで廃止されるウイングレットの代わりに、排気系に仕込んだコンバージェンス・ダイバージェンス・ノズルのメカニズムを様々なパラメーターからの情報を元に調整し、アンチ・ウィリーの効果を得る・・・と思われています。
ちなみにコンバージェンス・ダイバージェンス・ノズルですが、これは一般的には旅客機のジェットエンジンにはついていなくて、戦闘機のジェットエンジンにはほぼついている機構です。これはジェットエンジン後端部のノズルの出口を絞ることで、エンジン内を通過する空気流の勢いを増し、より強い推力を得るメカニズムなのです・・・。
ジジさんは、サラダボックス・・・と茶化しましたが・・・?
しかし、ジェットエンジンとは違って、単に排気ガスを排出するだけのエキゾースト・エンドに、コンバージェンス・ダイバージェンス・ノズルをつけたからといって、ジェットエンジンのような推力を得ることは難しいです。ダウンフォース発生目的としても、ウイングレットほどの効果は発揮できないと思ってしまうんですけどね・・・。
ネット上では、多くのMotoGPファンが、「これはヤマハEXUPのような、エンジン性能を高めるための排圧コントロール・デバイスなのでは・・・」とかいろいろ推察したりしてますが・・・実際のところ、セパンでテストされていたGP17にこの特許が使われているのかどうかは、現時点では定かではありません。
なお現地取材しているジャーナリストの質問に対し、ドゥカティMotoGPチームを統括するジジ・ダリーニャは、この"箱"は例の特許とは関係ないと答えています。そして、これは"サラダを入れる箱だ"とジョークを言ったりしています(ほかのメディアには、ピザを入れるボックスと言ったり・・・)。
例のコンバージェンス・ダイバージェンス・ノズルの特許ではないとすると・・・これはアンチウィリー効果を狙った、電子制御の"マス・ダンパー"ではないか・・・と予想するメディアもあります。しかし・・・今のところすべては推察に過ぎませんね・・・。
ともあれ、ここ数年ホンダとヤマハがタイトルを寡占しているMotoGPクラスにて、常になんとかこの状況を打開しようとしているジジ・ダリーニャのことですから、きっとこの"箱"には何らかの"秘密"があることには違いありません。この秘密の"箱"の力で、今年のMotoGPでドゥカティが躍進するのかどうか・・・ますます開幕戦が楽しみになってきましたね!