新機軸で展開されるというカワサキブランド専門店「PLAZA」のプロトタイプ店として大阪府/鶴見区に「PLAZA 大阪鶴見」がオープンしました。まるで輸入車ディーラーのような店構えは、これまでのカワサキ正規販売店ともまったく違う印象です。このお店が何を狙って作られたのか、その狙いを聞いてみたら……これがけっこうスゴかった!?

キレイなお店はいいけれど…「男カワサキ」はどこいった?

画像: 店舗中の展示スペースは贅沢に空間を使って、たった4台のみの展示!? 一般的なバイク屋さんに慣れていると、広すぎてソワソワしちゃいそうです。

店舗中の展示スペースは贅沢に空間を使って、たった4台のみの展示!? 一般的なバイク屋さんに慣れていると、広すぎてソワソワしちゃいそうです。

カワサキのオートバイといえばNinja H2に代表されるような世界最速! とか公道最強!みたいなフレーズが真っ先に思い浮かびますけれど、大阪府の鶴見区にオープンしたカワサキブランド専門店「PLAZA」のプロトタイプ店からは、そういう匂いがほとんど感じられません。お店の外観も店内もブラック基調。ほとんど外車のディーラーに近い印象でした。

このお店をプロトタイプとしてカワサキは何がしたいの? 男カワサキはやめちゃうの?

ぶっちゃけそんなことを思ったので、カワサキさんに本音を聞いてみました!
パッ見だとカワサキは今後、高級路線にしたいのかな?と思いましたけど、実は全然違ったんです!?

カワサキのウェアがメインじゃないアパレルコーナーって???

画像: カワサキのウェアがメインじゃないアパレルコーナーって???

ここだけ写真で切り取ると、もはや百貨店に店を構えるセレクトショップにしか見えません。だって、ここに展示されているアパレルの多くが「カワサキに関係ない」んですよ!? 普通だったら、自社ブランドの世界観を見せるために、ブランドロゴの入ったウェアや、ライディングギアが展示されるじゃないですか? もちろんカワサキコラボのアイテムもありましたけれど、そこが全然メインになってないんです。これじゃアパレルが売れても、カワサキが儲かりませんよ(笑) こんなの前代未聞です。でも、その本当の狙いが崇高すぎて恐れ入ってしまいました。

「ここは世界を拡げるための空間なんです。日本のバイク文化を作っていくこと、そしてライダーが自分自身を作っていくため。それをカワサキが一緒にできたらいいな、と考えています。これらのアパレルもその一環です。ライフスタイルとしてバイクを楽しむために『バイクだけじゃない世界』にも目を向けてほしいと思っているんです」

と、言うのはオープンセレモニーの会場にいたカワサキ関係者のかたのお言葉です。これにはスゴいなと思いました。自社の利益に直結しないけど、我々ライダーの「充実した暮らし」のために提案というか、キッカケ作りをしてくれているんですね。しかもそれだけじゃありません!

訪れるライダーたちを愉しませる仕掛け

新しいプラザ店は店内に入ってもガソリンやオイルの匂いをまったく感じず、むしろなんだか爽やかな香りなんです。それに、店内で静かに佇んでいると聞こえてくるような絶妙でボリュームで落ち着く音楽が流れています。何から何まで「バイク屋」の定義には当てはまりません。そして、UCCと共同開発したという「カワサキブレンド」のコーヒーが振る舞われます。

これはもう「カフェ」だと言われたほうが納得できますね。ハッキリ言って優雅です(笑)

自然に訪れた人を五感で愉しませる。そのための仕掛けがたくさん用意されているんです。

画像: ここはバーではありません。カワサキのオートバイを扱うお店です。ホントすごいですよ、ココは!

ここはバーではありません。カワサキのオートバイを扱うお店です。ホントすごいですよ、ココは!

こんなに変わったら、これまでのお客さんはどう思う?

全然バイク屋さんっぽくなくなったPLAZA大阪鶴見。ここでちょっと思ったのですが、ここまで環境が変わっちゃうと、これまでのお客さんは居心地が悪くなったりしないのか? とちょっと心配になりました。なので、同店の所長(店長じゃなくて所長さん!?)利波さんに突撃取材です

画像: こんなに変わったら、これまでのお客さんはどう思う?

「お客様は『カッコいいお店になって良かったね!』とお客様は仰ってくれています。近所に美容院が多いせいかもしれませんが『美容院みたい(笑)』なんてお言葉も。今日はオープンセレモニーでお祝いのお花でいっぱいですけど、いちばん最初にお花を届けてくれたのはお客様だったんですよ」

なるほど、これまでのお客さんにも愛されているんですね。真っ先にお花を届けてくれるお客さんがいるなんて得難いことだと思います。PLAZA大阪鶴見、きっと良い雰囲気のお店なんでしょうね。信頼できるパートナーとしてのお店に出会えるって、本当に貴重なことですから。

「お客様に楽しんでほしいんです。だからその楽しみかたを引き出したいと思っています」(利波さん)

未来のために、日本のバイク文化のために、敢えてレコードラインを走らない。

画像: 未来のために、日本のバイク文化のために、敢えてレコードラインを走らない。

オープンセレモニーでは、カワサキモータースジャパンの寺西社長からの挨拶もありました。その内容もナルホド!でした。もういきなりこちらの勘違いを吹き飛ばしてくれたんです。

「なぜこういうお店を作ったのか? 綺麗なお店がイイ、高級ブランドになりたい。そうじゃないんです! ここはカワサキがやりたいことを実現する舞台装置。ライダーにオートバイを安心、安全に楽しんでほしい。とにかく楽しい趣味として、オートバイに乗ってほしい。それを実現する手段なんです。オートバイは危ない、とか、うるさいなんてイメージを払拭したい。もっとオートバイの認知度を上げていきたいと考えているんです」(寺西社長)

納得、そしてホッとしました。カワサキは外車ディーラーの真似をして、単純な高級路線を狙っている訳じゃないんです。お店の高級感だけを演出しても意味が無い。それだけなら誰でも真似ができる。それをカワサキ自身が、誰よりも良く知っていたんです。

画像: 「ライディオロジー」についてはコチラから!
「ライディオロジー」についてはコチラから!

これまで財産とは別のラインで走る最先端のカワサキの姿

カワサキは今後、全国の店舗をすべからくPLAZA大阪鶴見のようにしていく訳ではないようです。だから「男カワサキ」を体現しているこれまでの正規販売網も変わらず続けていくとのこと。それがカワサキの財産、カワサキの王道だということを彼ら自身がいちばんよく分かっていました。レースで言うなら「男カワサキ」こそが彼らのレコードラインなんです。

でも、これまで築いてきた宝とは、完全に別のラインで走って行くのが「PLAZA」だということなんですね。これからオートバイの世界に入ってくる人々にも抵抗がない入口として、これまでのライダーたちが、今よりもっと視野を拡げられるように「PLAZA」が提案するってことです。

でも、そこで新しく目指すものがあるからって、これまでの過去を否定したりしないのもカワサキらしいですよね。アイデンティティの中核には「世界最速」のDNAや「男カワサキ」の矜持が変わらずに残されているんです。こうなると「もうひとつのカワサキ」としてのPLAZAを俄然、応援したくなっちゃいます。

やっぱりカワサキ、他とはやることが違いますね!

これまでとは違う「カワサキ」を体感してみてくださいね!

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