モータースポーツでも活躍するオーストリアのモーターサイクルメーカー、KTM。
そのKTMが、レーシングカー・コンストラクターとして有名なダラーラとコラボして送り出した初の4輪車が、ここで紹介する「クロスボウ」だ。
クロスボウとは銃のカタチをした洋弓のことだが、まさに放たれた矢のごとく疾走する。

画像: もちろん公道走行が可能な保安基準はクリアしている。それでも、このクルマが後ろから迫ってきたら…!?

もちろん公道走行が可能な保安基準はクリアしている。それでも、このクルマが後ろから迫ってきたら…!?

ほかの何にも似ていないクロスボウのスタイルは、簡単に言ってしまえばレーシングカートを大きくして2シーター化したようなもの。
顔つきは、ちょっとインセクト(昆虫)的だ。試乗したGTグレードはウインドシールドを備え、サイドウインドーを開くと昆虫の羽のよう。

画像: バットモービルを彷彿とさせるようなリアビュー。全長は3.8mもないが全幅は1.8mオーバーと、けっこうワイドだ。

バットモービルを彷彿とさせるようなリアビュー。全長は3.8mもないが全幅は1.8mオーバーと、けっこうワイドだ。

285psと420Nmを発生するアウディ製の2L直4ターボエンジンを横置きミッドシップ搭載し、組み合わされるミッションは6速MT。
カーボンむき出しのコクピットで車重は847kg。公称の最高速は231km/h、0-100km/h加速は4.1秒!

ドア代わり?のサイドウインドーを開けて、サイドシルを踏まないよう乗り込む。
外観から想像されるより乗り心地は悪くない。しかし、前述のパワースペックだから、加速はハンパじゃない!
ステアリングにもブレーキにもアシストはなく、まさにレーシングカート感覚。
そのパフォーマンスを存分に味わうなら、サーキットへ持ち込むしかなさそうだ。

画像: ウインカーやライトなどのスイッチを備えるステアリングは脱着式。センターのデジタルメーターはオートバイのものと同じ。

ウインカーやライトなどのスイッチを備えるステアリングは脱着式。センターのデジタルメーターはオートバイのものと同じ。

後方視界が悪いとか、カーゴスペースがないとか(試乗車はオプションのバッグを装着)、そんな文句を言うやつはクロスボウに乗る資格なし!
唯一無二のスタイルと走りの楽しさを味わいたいなら、このクロスボウに優るものは存在しないかもしれない。

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