ドイツに始まり、イギリス、ポルトガルでゼロエミッションエネルギーの生産が増え、またその比率も高まっています。もちろん日本も負けていません。日本の誇る「ダイキン工業」が超小型の水力発電の開発を始めました。

ヨーロッパで進む再生(グリーン)エネルギー発電

イギリスでは今年の春から石炭での発電量がゼロになる割合が増えてきています。
イギリスと言えば産業革命時代から大型の発電所があり、石炭で国が出来上がった場所でもあります。

記録に残る1882年に創業した発電所の操業以来130年以上も続いた石炭の発電がいよいよその役割を終えるかもしれません。

画像: エジソンの会社が作った発電所。初期の電球のフィラメントは京都の竹だったの知ってました? www.ianvisits.co.uk

エジソンの会社が作った発電所。初期の電球のフィラメントは京都の竹だったの知ってました?

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今回の石炭発電がゼロになったのは夜間の需要の少ない時間帯ではあったものの、石炭の時代の終わりをつげるサインにはなったようです。

イギリス政府としても2025年までには石炭の発電を完全になくす予定のようです。

また再生エネルギーの割合はすでに27%まで上がっており、太陽光発電も石炭の割合を超えているようです。

ポルトガルでは再生エネルギーだけで電力が賄える寸前

ドイツではとある週末の午後に需要45.8ギガワットに対して再生エネルギー(太陽光、風力)の発電量が45.5ギガワットとあと少しですべてを賄えるところまできたようです。
もちろん、週末の午後はもっとも需要の少ないタイミングかもしれませんが、大きな成果ではありますね。

デンマークでは風力発電だけで需要の140%を賄うこともあるようです。

またポルトガルでは再生エネルギーのみで107時間もの間、すべての電力を賄うことができたようです。風力、太陽光、水力のみで土曜日の朝から水曜日の午後までを動かしたそうです。

イベリア半島は風力発電に適した場所で地域だけでなくヨーロッパ全体を賄える可能性を秘めているようで、法律や規制などの環境が整えば15年以内に風力発電のみでヨーロッパの電力の需要の25%は賄えるとか。

ただし、やはり問題もあるようで、安定した供給の見込めないグリーンエネルギーだけにすべてを委ねることは難しいようです。曇りが続いてしまえば太陽光は発電量が激減し、風力も風頼りなので不安定です。それらの発電能力が増えてもそれを蓄電する設備が必要になり、また太陽光と風力が同時にピークが来てしまうと送電線への負担が大きくなりすぎてしまい、送電を止めてしまう結果にもなるようです。

画像: ドイツにおける再生エネルギーの廃棄の割合(使用しなかった電力量) www.bloomberg.com

ドイツにおける再生エネルギーの廃棄の割合(使用しなかった電力量)

www.bloomberg.com

つまりは、ヨーロッパ全体で電力の消費と蓄電を共有することで発電が消費量を超えても蓄電ができる、また消費が少ない地域から多い地域に電力が流れる仕組みをしっかりと作り上げることが必須のようです。現代の技術があれば管理はできそうですが、国を超えての電力の管理は政治的に難しそうですね。EUとしての団結力を発揮して欲しいものです。

ダイキン工業が水道を使った超小型マイクロ水力発電システムの開発を開始

日本での再生エネルギーに対する動きはというと、先日、ダイキン工業が面白い機器の開発を発表しました。

ダイキンといえば空調設備というイメージもありますが、高い技術力と信頼をもった日本を代表する製造業の一つです。

画像: www.daikin.co.jp
www.daikin.co.jp

「超小型マイクロ水力発電システム」と名付けられてたこのシステムは

上水道の管水路の水流エネルギーを利用して発電する10キロワット以下の超小型のマイクロ水力発電システム

神戸市と共同で開発を進めるこの機器は上水道施設に設置されている数多くの圧力調整用のバルブに代わって設置することで水圧の調整と発電を同時にできるシステムで、既存の水道を利用できるので新たな工事が必要なく低コストで設置ができるようです。

また

生産過程で水を多く使用する鉄や紙、化学品、薬品、飲料品などの工場への導入を想定しています。設置場所の水力に応じて、発電電力22キロワットクラスおよび75キロワットクラスの発電システムを組み合わせて導入することが可能です

とのことで、全国に広がる水道網や数多とある工場での発電が可能になるということですね。
太陽光も風力もまずは大規模な施設の建造が必要になりますが、これなら今あるものを発電所にできるのでさらにエコですね。

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