現地取材:北岡博樹(モーターマガジン社) デジタル編集:宮崎健太郎@ロレンス編集部
取材協力:ハーレーダビッドソン ジャパン株式会社
ロー&ロングじゃない、"走り"のハーレー。
Roadster™はフロント19インチ、リヤ18インチという、ハーレーとしては異色のホイールサイズを採用。タイヤはダンロップ製ラジアルをチョイス。軽量アルミキャストホイールは、新設計されたものをおごります。
サスペンションは、プレミアムライドと名付けられたフロントの43㎜径倒立フォーク、リアはストローク量を充分確保したショックが装備。足まわりの装備の充実ぶりがRoadster™の特徴のひとつです。
ワインディングで本領を発揮! 味わいを楽しめるスポーツ。
跨って気づくのはハンドルの低さ! けっこう前傾姿勢のライディングポジションです。ハンドルの垂れ角もコーナーでの操作にフィットする設計で、ドカッと座って、のんびり走るイメージは全然ありません。シートがハーレーとしてはすこし腰高なのも、熱い走りっぷりを期待させてくれます!
郊外のワインディングこそが、Roadster™の真骨頂を発揮する舞台です。ヨーロッパは市街地だと制限速度が低めだけれど、郊外に出ると時速70㎞/hまでOKなんて当たり前。場所によってはワインディングなのに90㎞/hもOKなんて場所もたくさんあります。
前傾のライディングポジションと軽く足を前に出すミッドコントロールのステップ位置。スポーティなスタイルだから、日本のスーパースポーツみたいな気分でシートの前寄りに座ってコーナリングしてみると……アレ?なんだかしっくりこない? ちょっとフラつくかも?
色んなライディングフォームを試してみる。そんな中で、よし、決まった!と思ったのは思いっきりシートの後ろに座った時。リアタイヤがグッと路面をつかんでいるのが感じられて、後輪を軸に、前輪がライダーのイメージよりもタイヤ1本分くらい外を回っていきます。この乗り方は、Roadster™以外のハーレーにも共通するもの。なるほど前傾姿勢だけど、操り方はハーレーらしさを踏襲しているのです。
ニッポンで一番楽しめるハーレーかも?
ワインディングを抜け、海岸線を低めのスピードで流す・・・Roadster™のエンジンは鼓動感たっぷりで、大排気量Vツインでしか味わえない旅の情緒に浸らせてくれます。
街では機動力が高くて、ワインディングはエキサイティング、そして旅先でのクルージングはテイスティ・・・スポーツスター系はもともと、この3つが自慢のハーレーですが、最新のRoadster™はその中でも「ワインディング」がいちばん楽しくアップグレードされています。でも、ギリギリ限界を攻めることを楽しむのではなく、コーナリングをマシンと対話しながら駆け抜けるのが楽しい、味わい深い稀有なスポーツモデルと言えるでしょう。
今回は南フランスというシチュエーションでしたが、このRoadster™は日本の環境でこそ活きてくるんじゃないか?ってことを試乗中常に考えてしまいました。カフェレーサーとして街を駆け、タイトなワインディングも自分らしく楽しめる。そしてツーリングも楽しめる・・・。
つまり、日本で人気のスポーツスター・ファミリーに、もっと日本の道が楽しめるテイスティ・スポーツが加わったわけです。"ジャスト・イン・ニッポン"と呼べるRoadster™で、日本国内を走ることが今から楽しみになってきました!