広がるシェア経済
Airbnbというサービスが急速に利用者を増やしている。空いている自宅の部屋と宿泊先を探している旅行者との間をマッチングするサービスだ。ホテルなどより安いという低価格も魅力だが,一番受けているのは一時的にルームシェアのような状態で現地の人とふれあえることだと言う。
長期滞在する人も多く,Airbnbで世界中を転々とするような人も出てきているようだ。このように世界中にあるリソースをシェアすることで「自宅」とか「住所」とかの概念は大きく変わるかも知れない。クラウドソーシングという仕事をマッチングするサービスも広がっているが,ネットのおかげで仕事も世界中どこにいても出来る時代だ,好きな時に好きな場所で生活するライフスタイルはますます広がりを見せるだろう。
シェアハウスの先にあるシェア家族
日本の若者達の間にもシェアハウスに住む人が急速に増えている。ワンルームマンションで自分の好きなものを買い集めた孤独な生活よりも,個人所有を極力減らし,仲間がいて,共同体としてのシェアハウスは現代の長屋とも言える。江戸時代の長屋はひとつの家族でもあった。長屋の大家さんは家長でありリーダーでもある。血の繋がった家族よりも日々協力し合いながら生きていく共同体の家族の方が絆は深いだろう。
孤独死が増えている現代。いずれシニアや40代を過ぎた独身女性達もどんどんシェアハウスに入居していくだろう。もはや肉親よりは共に生きていく「シェア家族」の時代だ。
いい女,いい男は公共財としてシェアされるべきものか
前述のAirbnbやシェアハウスでも当然,ちょっとしたアバンチュールやSEXは発生している。こうしたシェアエコノミーの時代が進展すれば,恋人やSEXのパートナーすらシェアする時代が来ても不思議では無い。以前に書いた通り婚姻制度というものが自由化されれば,固定的な恋愛関係はますます少なくなり,より流動的な恋愛関係が増えるだろう。
そして,その方が確実に若い男女がSEXをする機会は増える。理想的な固定化された結婚をゴールという価値観を社会から与えられたたために,結果的に童貞,処女のまま40代を迎えている男女は激増しているのが現状だ。
シェアエコノミーがエネルギーや資源を最適化する中で確実に進展する中,恋愛だけがシェアされないという考えは硬直的な考えだ。むしろいい女やいい男が特定の誰かに独占されていたことこそが独占禁止法で取り締まるべきものだったのではとさえ思う。かつてゴッホのひまわりの絵を棺桶で燃やして欲しいと言ったお金持ちがいたが,退廃主義紳士,淑女を独占することはそれと同じかも知れない。
いい女やいい男達は、もっとシェア恋愛を楽しむべきだ。生まれてきた子供も社会全体で育てるべきでシェア子育てになるべきなのだ。シェアエコノミーの先にあるのは新しい男と女のあり方であり,社会性を有することで繁栄をしてきた人類にとっては生物学的にも正しい原理なのではないだろうか。