最近R nineTを軸に、カフェレーサーを中心としたカスタムベースマシンとしてのポジショニングを確立しつつあるBMW。
富裕層向けのラグジュアリーなハイパフォーマンスバイクという印象が強かったBMWは、若者に支持される新しいブランドイメージを作るなか、同時にリターンライダーへの新しい提案作りも進めていました。
それは、バガーと呼ばれるクルーザー。
今回BMW Motorradが発表したのは、Concept 101と名付けられたカスタムバイクなんですが、これはボバーでもカフェでもスクランブラーでもないんです。
バガーとは、Bagger。つまりサイドバッグなどの積載能力抜群のクルーザーをカスタムして、より攻撃的、よりスピーディー、よりパワフルな感じに仕上げるカスタムスタイルのことです。もちろんハーレー・ダビッドソンのようなアメリカンバイクもツアラーというか、長距離を走ることをイメージさせるバイクですが、いわゆるクルーザーにはバイクのデザインの一部として大容量のラゲッジ(荷物入れ)が予め設置されているのが普通です。
そして、クルーザーといえば、HONDAのゴールドウィングなどが有名ですが、実際のところ価格もさることながら、デザイン的に守りが入っていて(安全面や快適さを重要視するトレードオフで、リスキーさとか際どいエッジのような、若さゆえの危うさなどはすべて取り除かれていますからね)、若者受けは基本的に悪いバイクです。
そこでそのクルーザーを若者受けしやすいようにカッコよくカスタムしちゃえ。それがバガースタイル、というわけなんです。
ちなみにコンセプト101の101は、カリフォルニア州の有名なハイウェイ 101からきているのだと思ったら、それもそうなんですが、同時に ベースマシンが排気量101cm3 = 1600ccの直6エンジンを積んでいるからだそうです。
トーマスが思うに、こういうバガースタイルは、結局本当の若者は買わず(そもそも高いし)、若いときの気分やライフスタイルをそのまま引きずっているリターンライダーが好みそうな気がします。
クルーザーが欲しいけど、なんかおっさんくさいって言われそう、と二の足を踏むお父さんたちが、これなら娘(息子)も後ろに乗りたい!と言ってくれるだろ!と喜んでくれる。そういうバイクスタイルかな、って思います。