英国現地時間の10日のマン島では、ゼロエミッション(無公害)の車両で競われるTTゼロと、スーパースポーツTT2の決勝が行われました。TTゼロでは、予選から絶好調の無限・神電四に乗るジョン・マクギネス(チーム無限)が昨年に続き優勝。120mph突破というチームが掲げた目標には及びませんでしたが、119.279mph(約191.961km/h)という記録は、昨年度の記録を更新する立派な成績でした。
ズバぬけたチーム無限の強さ!
2位にはマクギネスのチームメイトのブルース・アンスティが入賞。マクギネスとアンスティの差は約4秒。その後ろとの差は1分以上も開いており、チーム無限がTTゼロにおける圧倒的な強さを披露した形になりました。3位にはリー・ジョンソン、そして4位にはウィリアム・ダンロップの負傷欠場の代役を務めたガイ・マーチンのビクトリー勢が入り、以下ロバート・ウィルソン(サロレア)、マイケル・スゥイーニー(ユニバーシティ・オブ・ノッティンガム)の6台が完走しました。
スタートの音、そして通過音も、内燃機関を搭載するモーターサイクルとは全くことなるので、じつに不思議な印象を覚えるのがTTゼロです。わずか1周で競われるため、このTTゼロの一勝は通算勝利数に加算する価値があるのか? という声は、TTファンのなかから上がったりするのも事実です。しかし、同じルールで同じ土俵で戦う以上、1勝は1勝とカウントするのがフェアでしょう。通算勝利最多の26勝を残して世を去ったジョイ・ダンロップも、仮に今後5勝のすべてをTTゼロでマクギネスが積み上げ記録を抜いたとしても、きっと天から惜しみもない賞賛を送るに違いありません(*個人の感想です・・・というか妄念に過ぎません。でも、きっとそうだと思います)。
2010年以来のハットトリックを達成!
スーパーストックTTをPBMカワサキZX-10Rで、スーパースポーツTT1をチーム・トラクション・コントロールのヤマハYZF-R6で制したイアン・ハッチンソンはスーパースポーツTT2にも勝利し、2010年の通算5勝に続いて、今年のハットトリック(3勝)以上の成績を確定させました。2位はスーパースポーツTT1同様にブルース・アンスティ(ホンダ)が入賞。3位にはトライアンフに乗るガイ・マーチンでした。甘いマスクで大人気のマーチンですが、今年もTT未勝利のまま終わってしまうのでしょうか・・・。残るレースはライトウェイトTT、そしてセニアTTのふたつです。