街中でドアを開けたカウンタックを見かけたら、「ガルウィングだー!」などと叫んではいけません。
ガルウィングっていう響きが格好良いので、ついそう言いたくなるのですが‥
本当はシザードアかジャックナイフドアなんですよ〜
ガルウィングとは、カモメの翼の意味。
これです。カウンタックの扉とは、すこし違いますよね?
ガルウィングとは、厳密にいうと「ルーフとドアを接点に地面に対して垂直に開く」ものです。カウンタックのように車体中心線に直交する軸を持つ1点のヒンジで斜め前方に持ち上がる(わかりずらいので、斜め前方という認識で良いと思います。他に斜め外側開き、前ずっこけ開きみたいなのもあります)ものは、「シザードア」や「ジャックナイフドア」、「ランボルギーニドア」と呼ばれます。
ガルウィング初採用市販車、メルセデス・ベンツ 300SL
市販の乗用車でガルウィングが初めて採用されたのは、1954年発表のメルセデス・ベンツ・300SLです。まさにカモメの翼!
300SLプロトタイプのシャーシは軽量化と強度確保を両立させる目的で、細い鋼管を組み合わせたマルチチューブラー・スペースフレームを採用した。この構造では上下のサイドメンバーが座席の脇を縦貫するため、ドア開口部の「敷居」にあたるサイドシルが高くなってしまった。そこで、レースでの最低限の乗り降りのため、跳ね上げ式ドアを採用することになった。レース参戦時にクレームを受けると、メルセデスチーム監督のアルフレート・ノイバウアは「ドアが横開きに限るとはどこにも書いていない」と主張して承認されたという
乗り降りしやすそうに見えなくもないのですが‥
実際はフチ?に座れるくらい幅があるので、またいで乗り込む感じ。女性はスカートで乗らないほうが良いです。
こういう細かい話をしていると、嫌われるかもしれません。
ちなみに、冒頭で「ガルウィングだー!」と叫んでいたのは私の知人男性。私がしたり顔でツラツラと300SLについて語り始めたところ、すごーく嫌な顔をされてその後しばらく会話が無くなったので、クルマやバイクにあまり興味がない人と話す時は、みなさんも気をつけてくださいね。私は全然気をつけないですけどね!!