みなさんはご自身が80歳を越えたときに、モーターサイクルに乗っていると思いますか? 私はそうでありたい・・・と思いますが、日頃の不摂生を思うとそれは叶わぬ夢と感じてしまいます。しかし!!! 世の中にはすごい方がいるものです。なんと87歳のおじいちゃんが、今年のマン島TT前のプレイベントであるシングルレース(250cc)で、最速ラップを叩き出して優勝したのです!
フォーエバーヤング、という言葉は、彼のためにある?
そのおじいちゃんは、英ヨーク在住のテッド・フェンウィック。氏は2012年にエンジニアの仕事をリタイアした、3人の孫のおじいちゃんですが、クラシックなドゥカティ単気筒に跨がればまだまだ現役のロードレーサーです。60年にわたって競技者として活躍するテッドさんは、4.25マイル(約6.84km/h)のコースで行われるこのプレTTイベントで、1998年に70歳で初勝利! その後もこのレースに参戦を続けたテッドさんは、2011年に4度目の勝利を記録するトップレーサーのひとりであり続けました。
エバーグリーン、という言葉は、彼のためにある?
テッドさんのロードレース活動は家族に支持されて継続してますが、2013年の1月までは唯一反対する人がいました。それはテッドさんの奥さんのマーガレットさんでした。
世界最高峰のメディアであるBBCによると、マーガレットさんはテッドさんのロードレース活動が嫌だったと報じています。このプレTTイベントだけでなく、1982年からロードレースを趣味にしていたテッドさんですが、マーガレットさんは危険が伴う夫の趣味に常に不安を覚えていたのでしょう・・・。それでもテッドさんいわく、「妻は私のロードレース活動を快く思っていなかった。しかし妻は、ロードレースを辞めて欲しいとは一度たりとも口にすることはなかった・・・私にとって、彼女は素晴らしい妻だったよ・・・」
未だトップレーサーであり続けるテッドさんの勇姿に、励まされるライダーは私だけではないでしょう。天国のマーガレットさんは、そんなご主人に空からどんな眼差しを注いでいるのでしょうか? 「まだやっているの?」「懲りないわね・・・」以上はすべて妄想ですが、どのような想いもそれは愛情に溢れたものに違いないのではないでしょうか?