ロレンスでもお伝えしましたが、「ヤマハ発動機が4輪に進出」の報道は大きなセンセーションを巻き起こしましたね。
「ヤマハが四輪に進出?!!」
http://lrnc.cc/_ct/16796177


しかし、あまり知られていない話ではありますが、ヤマハ発動機は1955年の創業後から間もない時期にも、4輪製造への進出も視野に入れて活動をしていたのです。ヤマハ発動機初のスポーツの名を冠したモーターサイクル、250S(YDS-1・2ストローク250ccパラレルツイン)を発売した年でもある1959年には、すでにYX30という1600ccの2座スポーツカーの試作に着手していたのです。

画像1: 意外と古い? ヤマハと4輪の関係

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1950年代からの、ヤマハ4輪の鼓動

この「YX」のコードは、ヤマハ発動機の2輪・4輪の試作車に用いられていたコードでした(おそらく、ヤマハ・エクスペリメンタルの略)。ホンダ初の量産4輪車「T360」の登場が1963年で、ホンダの4輪開発のスタートと言える「第3研究課」発足が1958年・・・。ヤマハ発動機の4輪開発への取り組みも、ほぼホンダの歩みと同じような時期に始まっていたわけです。


しかし周知のとおり、YX30はこの世に出ることなく、ヤマハ発動機4輪進出は幻に終わりました。その原因はいろいろありますが、社運をかけて開発した初のモペッドであるMF-1、そして初のスクーターであるSC-1の商業的失敗により、ヤマハ発動機の経営は大きく揺らぎました(さらに始めたばかりの世界ロードレースGP活動も中断の憂き目に・・・)。


画像2: 意外と古い? ヤマハと4輪の関係

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「最古のスーパーカブは、最良のスーパーカブだ!?」http://lrnc.cc/_ct/16792420 でお伝えしたように、ホンダが1958年発売のスーパーカブの世界的大ヒットで、4輪F1や鈴鹿サーキット建設や4輪事業進出など、さまざまな発展の「はずみ」がついたのに対し、ヤマハ発動機はMF-1とSC-1の失敗でいろんなことを諦めざるを得なかった・・・と言えましょう。


ただし、ヤマハ発動機の4輪分野に関する研究はそのとき潰えたわけではありません。1962年にはニッサンと技術提携し自動車開発に協力。1965年からはトヨタと2000GTを共同開発。1967年から発売されたトヨタ2000GTは、ジャパニーズ・クラシックカーの最高峰として、今日オークションなどで超高額なプライスがつく名車です。

画像3: 意外と古い? ヤマハと4輪の関係

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その後、1970年代のヤマハ発動機は、トヨタのほか米・欧フォードなどをパートナーに、高性能エンジンの開発・生産・提供を開始しました。1980年代からは研究開発の一環として4輪フォーミュラ用エンジンを手がけて、1989~1998年にはF1にもエンジンサプライヤーとして参戦しております。

このF1参戦で得たノウハウを活用し、ヤマハ発動機は1992年に3500cc・V12をカーボンモノコックボディに搭載したスーパーカー、「OX99-11」を開発・発表。1994年の市販の報に、多くのカーガイが注目したものです。

画像4: 意外と古い? ヤマハと4輪の関係

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しかしOX99は、国内景気後退などの事情により、残念ながらその販売は実現しませんでした。その後約20年間、ヤマハ発動機の4輪車の話題は鳴りを潜めましたが、ここに来ての報道で皆さんビックリということですね。私恥ずかしながらまだ詳細を確認していないのですが、今回のヤマハ発動機4輪進出の話題は、軽自動車増税、TTP、そして新たに導入されることが噂される「パーソナルモビリティ」枠・・・絡みの話みたいです。個人的感想としてはちょっと経済寄り過ぎて「夢」がないなぁ〜と思いますが、今後どうなるか、注目ですね。

画像5: 意外と古い? ヤマハと4輪の関係

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