お題の「硬い」は、素材としての鉄の特徴を示すものです。今回紹介する、東京・大田区の「OLIO」(オリオ)は鉄スクーターを専門的に扱う、ちょっと変わったクラシックのお店です。


一般の認識としては、スクーターの外装はプラスティック類・・・でしょうが、第二次世界大戦後から1970年代までに生まれた初期の「近代スクーター」は、金属素材の外装を用いるのが主でした。1980年前後のころからのプラスティック・エンジニアリングの進歩によって、軽く、量産性に優れたプラスティックボディがスクーターの世界で流行するようになったわけです。そしてその流れは、今日に至っています。


今の製品にはない、鉄スクーターならではの「美」


画像1: お硬いのはお好き? 鉄スクーター専門店「OLIO」


国道1号線沿いにある「OLIO」に在庫しているスクーターは、ピアッジオ・ベスパ、イノチェンティ・ランブレッタなどのイタリアンのほか、富士ラビットや三菱シルバーピジョンなどの国産車。そのほかヤマハSC-1やホンダ・ジュノオM85などの変わり種も・・・。鉄ボディを持つクラシックスクーターならなんでもござれという、世界でも珍しいショップといえるでしょう。以下に紹介するのは、「OLIO」の在庫車の一部です。


画像2: お硬いのはお好き? 鉄スクーター専門店「OLIO」

出典:http://olio.jp/
国産スクーターの雄、シルバーピジョン


画像3: お硬いのはお好き? 鉄スクーター専門店「OLIO」

出典:http://olio.jp/
ヤマハ初のスクーター、SC-1


画像4: お硬いのはお好き? 鉄スクーター専門店「OLIO」

出典:http://olio.jp/
イタリアンスクーター、イノチェンティ・ランブレッタB


画像5: お硬いのはお好き? 鉄スクーター専門店「OLIO」

出典:http://olio.jp/
4ストローク・フラットツインエンジンを搭載するホンダ・ジュノオM85


鉄ボディの古典的スクーターの魅力はいろいろありますが、その最たる魅力はスタイリングの美しさと愛らしさでしょう。曲線基調のボディラインが醸し出す「美」は、今日のスクーターには望み得ないものと思えます。もちろん市民の足として、コストコンシャスなプロダクトとして作られたことは、今も昔のスクーターも変わりはありません。しかし今日の価値観で、どちらがより所有欲を満たすものか・・・は、問う必要はないでしょう。美しいは正義です(笑)。


画像6: お硬いのはお好き? 鉄スクーター専門店「OLIO」

出典:http://olio.jp


ちょっと個人的な話に話題をふりますが、「OLIO」店主の高倉氏は、かつて私の仕事の相棒でした。1990年代の半ば、クラシック愛好家5名を集めて「日本クラシックモーターサイクル専門誌発刊委員会(仮?)」を発足したときからの同志であり、長年にわたり八重洲出版・別冊MOTORCYCLIST連載の「Classic edit.」担当フォトグラファーを務めた人物です。


また彼は、ネコパブリッシング刊「Classic Motorcycling」、八重洲出版刊「The Motorcycle Classics」でも、イタリアンバイク担当編集者及び専属フォトグラファーとして活躍しました。これらの本の編集者として、そしてひとりのクラシックファンとして、彼の担当するイタリアンバイクの記事を読むこと、また彼のクラシックバイクを写した写真を見ることは、私の個人的な楽しみでもありました。


20年ほど仕事のパートナーだった彼が、新たに「OLIO」を開店すること、そして今までの仕事を中断するという話を聞いたときは、正直ショックを受けました。しかし、彼のメカニックとしての知識と技量の正しさが、ショップでの活動をとおして市井のクラシックファンの利益になるのであれば、それは素晴らしいことに他ならない・・・と今は心から思っています・・・と、まぁ、お硬い話題は、これくらいにしておきましょう(笑)。


クラシックイタリアンシングルも得意とするショップ


なお高倉氏はドゥカティ単気筒やアエルマッキ単気筒のスペシャリストでもあり、鉄スクーター以外にもこれらのイタリアンクラシックのレストレーションやメンテナンス、そして車両購入の相談も引き受けてくれます。ヒストリックロードレースやビンテージモトクロスの経験も豊富なので、イタリアンクラシックでの熱い走りを楽しみたい人にとっても、「OLIO」は力強い存在でしょう。


鉄スクーターに関心がある方は、まずは「OLIO」を訪ねてみてください!


OLIO(オリオ)
■住所/東京都大田区南馬込5-29-5
■TEL/03-6451-8950
■営業時間/10:00~19:00
■定休日/毎週水曜、第二・四木曜

ウェブサイト:

http://olio.jp

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