あるAFTプロライダーのご子息がサムアップで佇んでいるのは、デブリ (塵) ひとつなく美しく仕上げられた、米国南東部に多く見られる粘土質多めな赤褐色のクレイオーバル。のべ200台以上を集めて激しく競わせる、この週末の "ビッグ・ローカルイベント" のために、スタッフたちが昼夜を徹し路面整備した結果生み出した経験の賜物です。イベント終わりまでにはテッカテカに黒光りする "ブルーグルーヴ" が現れ、勢いつけて後輪を振り出さないとどんなに寝かせても滑りもしないほど良質なグリップが得られるのではないかなぁ、と想像。まぁ我が国ではなかなか得にくい環境ですけどね。

ウサギはカメを見ていたが、カメはゴールを見ていた

あけましておめでとうございます。WELCOME RACE FANS!! ダートトラックライダー / FEVHOTSレースプロモーターのハヤシです。当コラムでは昨年に引き続き、毎週欠かさずダートトラック / フラットトラックに纏わる新ネタをご紹介して参りますので、本年もご高覧のほどよろしくお願い申し上げます。ちなみにこのまま連載が続けば次の年の瀬あたりには300本目を迎えるはず・・・ですよ。

画像: Cory Texter Promotions

Cory Texter Promotions

さて、レースが為に競技場は艶々に磨き上げられ、腕自慢たちも粋を凝らして整えたマシンを携えて多数集う・・・これがこの種のモータースポーツイベントの原理原則だと言うことは、以前からたびたびこちらで申し上げているとおりです。

つい先日、あるレーストラックオーナーとCOVID-19禍以降の展望について話をする機会がありましたが、あくまでビジネス = 生業のひとつとして場を提供すること、ホビー = 人生を彩る活動のひとつとして走るライダーたちが大多数であること、それらの折り合うところを、改めて捉え直す必要があるように感じました。両者の中間に立つプロモーターとして言わせていただくのなら、どちら様も読みがまだちょっと甘いような。ウィンウィンてそういうことじゃない。トラックなくしてライドなし、ライドなくしてトラックなし・・・。

"次の一手" をどう見据えるか

画像: "次の一手" をどう見据えるか

写真は筆者ハヤシの長女 (5歳・年中) 近影。こちらのちびっ子電動バイクを昨年の誕生日にプレゼントして以来、なかなかお気に入りの模様です。車両はまた別の機会に改めてご紹介しようと思いますが、国内ポケバイ専門メイカーが企画した幼児向けのエントリーモデルでやや大味な大陸製?・3スピードモード・500wで定価がなんとヒトケタ万円という驚異のお値打ち品です。まぁ細かいところは手を加えてケアしたほうがよいのと足回りが低年齢向けなのでちょっと大人は厳しいかな・・・?

都内在住の筆者が5歳と3歳を連れて "モーターサイクルのりば" まで出かけようとすると、どうしたって少なくとも半日仕事になりますが、軽量・無音・メインテナンス容易な電動マシンなら、正しく条件を整えて場が確保できたなら、ですが幼稚園帰ってきてから毎日短時間乗せてやることだって可能。同年代の近所の子ども達に体験してもらうハードルも下がります。※公道や公園では乗れません

新しいライダーを増やそうと思ったら、若い・・・をもはや通り越して、次のジェネレーションをどのようにレーストラックまで招き入れるか、を考えていかないとならない時期にきているのは間違いありません。バイクブーマー諸兄はもうだいぶイイ歳ですし (失礼) 、現・若者とかシン・中年 (我々) 世代には悪名高い駐禁政策とか景気の悪化とかでファッションとしてのモーターサイクルがそこまで浸透しているとは言えず、現役世代が我が世の春を謳歌してキャイキャイ楽しんでいるだけで事態を放っておけば、シーン全体が先細りになることは疑う余地もないのです。

とはいえ半世紀近くまったく変わらない様子だってあるわけで・・・

画像: とはいえ半世紀近くまったく変わらない様子だってあるわけで・・・

写真はつい数年前のAFT・・・ではなくって1970年代半ば〜後半あたりのAMAプロレースからの一葉。自ら空気圧チェックに余念のない#5ゲイリー・スコットですが、その姿は今日の若きライダーとなんら変わりなく、マシンだって基本骨格は全く同じ、ピットバイクも仮設トイレも金網もスター選手を見つめる観衆も・・・。

60年代末のドキュメンタリー映画 "オン・エニー・サンデー" なんかだと少しばかりビンテージ的な世界観を感じますが、少なくとも半世紀前から今日まで、レースシーンには普遍的な雰囲気がたしかにあることがわかります。それを無理矢理に今日的に変えていく必要もないですしねー。我らがマネーメイキングB.U.F.F. (Big, Ugly, Fat, Fxxxxx...)?AFT様にも届くといいなこの願い。なんて。

ということでとりとめもなく始まりましたが、引き続きよろしくお願いいたします。
ではまた本年も金曜日の "Flat Track Friday!!" でお目にかかりましょう!

コメントを読む・書く

This article is a sponsored article by
''.