"メジャーをボーカンするよりマイナーをジッカンするほうが100倍楽しい" とは20年、いや四半世紀くらい前だったか、本場ダートトラックレーシングに纏わるあれこれを、我が国にしつこくしぶとく紹介し続けていたある御仁が、大人気二輪雑誌の連載誌面に書いておられた名文句。この競技の世界最高峰シリーズ・AFTが "メジャーリーグ化" を狙ってなんやかやと企てる (そしてことごとく失敗する・・・) 昨今、早計な拡大路線を目指さずとも "深化で進化" はできるのじゃないかと考え中の私。

"井の中の蛙、大海を知ろうが引き続き井の中で激しく競う" 事が大事かも

WELCOME RACE FANS!! ダートトラックライダー/FEVHOTSレースプロモーターのハヤシです。マイナースポーツに邁進するアスリートたちの悲哀!彼らの活躍にもっと光を!そして競技人口増加を!的な三段論法は、モータースポーツ界のみならず日頃からそこここで目にします。社会的な認知度が向上し、"プロパー・アスリート" たちの活動への注目や支援が増えることはもちろん大歓迎ですが・・・?道具を使うマイナースポーツの "競技者的視点" での普及は、おいそれとかなうほど簡単ではないようです。

その証左のひとつの例として、かれこれ過去10年来、我が国のダートトラックシーンでレースの上位を走るライダーの顔ぶれはほぼ固定化し、大きく変わってはいません。一握りのトップコンペティター個人の弛まぬ努力、操るマシンの状態も高い水準で維持していることが最大の理由なのは無論ですが、これほど長い期間追われる立場 (そして追い抜かれない・・・) にあり続けているということは、"相当ヤバい" 選手層の薄さを示してもいます。 それ以前に比べ格段に裾野は広がりましたが、山の中腹部分は未だに役者が育っていない。このままあと10年たったらどうなっちゃうんだろ?

"脱マイナー" を目指した他カテゴリーの盛衰なんかも見てますしね・・・

メジャー化路線を急ぎ過ぎて失速したスポーツリーグ、レースカテゴリー、競技ジャンルは件のAFT: アメリカンフラットトラックを筆頭に枚挙に暇がありません。身近な国内2輪界でもすぐに思いつきますし、外様の立場で今だからこそ指摘できる脆弱性などいくつもありますけど・・・他山の石?都合が悪くなったり気分が優れない方がでるかもしれないので、他所の話は控えることにしましょう。

マイナーだからこそ誰もが親しめる部分というのは間違いなくあるし、本場でもグラスルーツ (文字通り草の根) と評され続けるこのスポーツの初源性?みたいな雰囲気を大切に、小回り効かせて濃厚なファンとだけじっくり向き合っていくのが実は明快かな、などと考えているところなのです。

筆者主宰のFEVHOTS、ここから先は深く静かに地下へ潜っちゃおうかなー

全日本格式とか承認レース的なこと、あるいは広く未経験の人たちを掬い上げる (搦め捕る?) ことを目指すイベントの開催はそれはそれ、今は他に熱心にやっておられる方がいるわけで、競合してもあまり意味がないと思うのです。自分のところ以外にちゃんとしたレースがあるなら筆者だって走りたいですし。そんなのひとつもないからこの10年、主催者という立場のみに納まっているとも言えますけど・・・。

思い返せば筆者ハヤシがFEVHOTS: Far East Vintage Hotshoe Seriesというレースを立ち上げた当初、我々は血の匂いのする・ギラギラと目を三角にした・日本で最もエクストリームな (尖った) ダートトラックレースシリーズ、を声高らかに標榜していたのでした。いや別に初心を忘れていたわけじゃないんですけどね。頭数が増えれば増えるだけ、和気あいあい好きとか教えてくん的スタンスの総量も増えるわけで、ご新規さんを甘やかしちゃった部分もあるかなぁと反省しているんですよ。

というわけでCOVID-19禍がこの先もうちょっとだけ収まった暁には、筆者主宰のFEVHOTS、間口→狭め!ハードル→高め!やってる中身は日本一!といった風なハードコアー路線で地下に潜り、勇気ある挑戦者のみウェルカム!というスタンスで改めて仕切り直して参りたい、と思っています。

レース走って10年ちょっと、主催で回して10年くらい。
消費されるだけならそんなに流行らなくていいです、というひとつの境地に達したんですが。
はてさてどうなることやら。
ではまた金曜日の "Flat Track Friday!!" でお目にかかりましょう!

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