3クラスそれぞれにホボ鉄板!みたいな雰囲気の新チャンピオンが誕生
WELCOME RACE FANS!! ダートトラックライダー/FEVHOTSレースプロモーターのハヤシです。今年は3クラス編成で開催されたAFT。スーパーツインズ・プロダクションツインズ・シングルスそれぞれの王者は下馬評通り?のお馴染みの面々で、インディアン・ハーレーダビッドソン・KTMの3ブランドを駆ってチャンピオンを獲得しました。
最高峰スーパーツインズの覇者は昨年に引き続きジャレッド・ミース。全米選手権での初めてのチャンピオン獲得は確か2009年なので、息の長い黄金期にあるベテランライダーといえます。
時に荒っぽい言動も見せますが、かつてクリス・カーと組んだ名チューナー、ケニー・トルバートを伴って、あくまでプライベート・チームとして戦う彼の姿勢は、ダートトラックレーシングの "グラスルーツ感" を醸し出していると言えるでしょう。
今シーズンは降雨キャンセルとなりましたが、自身がプロモーター (興行主) としてシリーズ中数戦を主催するなど、なかなか有能なビジネスマンであり、そして良き家庭人でもあります。このオールラウンダーな感じが勝負強さの秘密なんですかね?
スーパーツインズから完全に撤退したハーレーダビッドソンXG750Rを駆り、ヴァンス&ハインズと組んでプロダクションツインズクラスを制したのはジェシー・ジャニッシュです。
過去数年はシングルスクラスに出場、特にTT戦で活躍しましたが、受傷したライダーの代役を請け負って乗ったXGとの相性は申し分なし。今期はヤマハ・KTM・ロイヤルエンフィールド・カワサキなど市販エンジンベースの多彩なマシンが集うこのクラスで圧倒的な強さを見せ、昨年の王者コリー・テクスター (ヤマハ) を僅差で破り、自身初のタイトルを手にしました。
シングルスクラスはシーズンを通してライバル不在、ほぼぶっちぎりでランキング首位を走り続けたレッドブルKTM のコーディ・コップが年間タイトルを獲得しました。
もはや元GNCチャンピオンである父ジョーを引き合いに出すまでもなく、最も才能あるトップライダーのひとりとして注目される存在になりつつあるといっても過言ではないでしょう。
来期は・・・450ccで2冠を狙うのか?早々に2気筒クラスへ歩みを進めるのか?15年前にPW50でトコトコとハーフマイルを走っていた彼の姿を知る者 (筆者) としては目が離せないライダーです。
優れたアドバイザーとして貢献した "BB4" がチームを去る日・・・?
2018年のXゲームズにおける重大な脊椎損傷事故の後、懸命のリハビリを重ね、車いすの身でアドバイザーとしてチームに帯同し、インディアン・ファクトリーの一員として携わってきた元チャンピオン、ブラッド・ベイカーは、今期限りでチームを離れることを自身のSNSで示唆しています。
若き夫婦ファクトリーライダー、ブライアーとシェイナには、今期の成績から見てもまだまだ先輩からのアドバイスとかサポートの余地が残されていそうですけど・・・?
これはもしや、来期はこのカラーリングのチームトラックがAFTのパドックにはやって来ないことを意味している?撤退?やはりカバン付きロードレースに専念?
なぜ分けたのかわからない、スーパーツインズとプロダクションツインズの両クラスが改めて一本化されることになる将来、孤高のレース専用エンジン車・インディアンFTR750への風当たりはますます強さを増しそうですが・・・?やはり体制縮小への秒読みが始まっている感じなのでしょうか?
混沌の様相を見せるAFT、来期は "ヤマハ推し" が面白いかもしれません!
2017年シーズンのデビュー以来、あっという間にここまで話が進んでしまった印象のインディアンですが、対抗馬として気勢をあげる存在として今年はヤマハの活躍が大いに光った1年でした。
新鋭ダラス・ダニエルズとベテランのJD・ビーチを擁するエステンソン・ヤマハは、2人がスーパーツインズクラスでそれぞれランキング3位・4位を獲得し、ジャレッドとファクトリーインディアンのブライアーに続く大健闘を見せました。
プロダクションツインズクラスでも年間ランキング10位内の6人がMT-07改を使用するなど、次世代を担うメインストリームのマシンとして今後ますます注目したほうが良さそうです。個人的にはアメリカンダートトラックらしく、まっ黄色でストロボ模様のヤマハも見たい気がしますけどね・・・。
ではまた金曜日の "Flat Track Friday!!" でお目にかかりましょう!