1970年代、つまり半世紀ほど前から、フルサイズマシン用ダートトラックレーシングタイヤは、前後いずれも19インチが主流となり、その後はレースレギュレーションによって同サイズに規定され、現代に至ります。ジュニアライダー向け、あるいはアマチュアレーサーが駆る趣味のミニマシン用としては、コンパウンド特性の近いロードレース用レインタイヤを含め "17インチ" が選ばれることも多く、フルサイズモデルの小径縮小化バージョンとしてアジア製ブランド数社から専用タイヤがリリースされています。そして昨年US DUNLOP社より、19インチと完全同パターンのミニサイズ用・ブランド初の17インチDTレーシングタイヤが満を持して発表されたのでした。円安憎し・・!

これをして "真打ち登場" という以外なんと表現すれば良いのでしょう?

WELCOME RACE FANS!! ダートトラックライダー/FEVHOTSレースプロモーターのハヤシです。コロコロと素直に転がすはずのタイヤをズサーっと横滑りさせて云々・・・というダートトラックならではの走法の解説・専用レーシングタイヤの特徴については、数年前に長大で素晴らしいコラムを上梓していますので (手前味噌・・・) そちらをご一読いただくことにしまして、

30年もの間、全米プロダートトラック選手権における "スペックタイヤ" の座に君臨し続けたGOOD YEAR / US DUNLOP製の先代モデル (厳密に言えば数回、内部構造を大幅にモデルチェンジしていますがパターンはほぼ変わらず) に代わり、路面を無駄に穿らずそれでいて安定したグリップレベルを確保し、チューブレスでの使用を前提とした (今日のAFTマシンは全車タイヤチューブを使っていません) 完全新設計のフルサイズ19インチ "DT4" レーシングタイヤは、2020年から一般向けデリバリーが始まりました。

COVID-19禍による物流その他、経済の停滞によってそこから遅れること1シーズンと少々。US DUNLOP社は同社の歴史上で初めて、プロユースではない "アマチュア向けコンペティションタイヤ" として、17インチ・120/70サイズ (前後共用) のDT4タイヤをリリースしました。フルサイズ19インチのフロント用デザインを採用し、"うら若いライダーが駆る85〜150cc級のマシンを主なターゲットとして開発した" とのこと。・・・別に若くないライダーが使ってもきっと問題ないと思いますが?メイカーリリースにハッキリそう書いてあるんですってば。

同じ17インチとはいえ250cc以上のスーパーモト (所謂モタード) スタイルの車両とかには車重とかタイヤ強度の面からあまりマッチしないかもしれません。推奨リム幅は2.75〜3.50です。多少の前後は許容するでしょうけど、あまりに細いリムだとタイヤが尖ってサイドウォールぎりぎりまで使いづらくマシンがビターっと寝かせられないかも?

画像: これをして "真打ち登場" という以外なんと表現すれば良いのでしょう?

気になるお値段は現地$135.00!しかし為替が!そして送料が・・・!

どうやらフルサイズ19インチモデル同様、チューブレス仕様らしきこちらの17インチDT4タイヤ、伝統の競技カテゴリーを保護し育てようというアメリカンフラットトラックシーン独特のスタンスから、おそらく "仕入れ価格" の設定がそもそも存在せず、誰が買っても定価、という日本ではなかなか考えにくいスタイルで販売されているはずです。

ちなみに400m以下のショートトラックにおける推奨空気圧は0.83〜0.97kpa、マイルトラックでは1.80〜2.20kpaくらいとのこと。そんなセットアップの幅広さもダートトラックコンペティションタイヤの特徴です。

メイカー曰く "長年のリクエストに応えてようやく開発することができたこの17インチモデルは、経済的な優れたタイヤライフと高いグリップレベルを高度にバランスさせた一品" だそうですよ。32年ぶり?の1ドル147円とか、物流運賃の高騰とかで今すぐの個人輸入についてはちょっとあまり考えたくない感じですけど・・・本家本元の新製品、すごく試してみたいのはもちろんですよね。

ではまた金曜日の "Flat Track Friday!!" でお目にかかりましょう!

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