去る8月6日(土)に開催されたAFT: アメリカンフラットトラックシリーズの第12戦・サウスダコタ州ラピッドシティのブラックヒルズ・ハーフマイルは、週の前半からすでに悪天候が心配されていましたが、主催者は当日の空模様を見誤って当初のタイムテーブル通りの進行を固持。10分 +2周で競われるメインイベント・スーパーツインズ決勝2周目にはいよいよ雨粒が落ち始め、赤旗中断→そのままレース終了となったのでした。

お客様ガッカリ!関係者ゲンナリ!LIVE中継時間を優先した結果・・・

WELCOME RACE FANS!! ダートトラックライダー/FEVHOTSレースプロモーターのハヤシです。ダートトラックレーシングはその走法の特性上、基本的に雨中を走ることができません。降り続いた雨がレーストラックにダメージを与え、その後晴れたとて暫く走行不可になる場合さえあります。ここまで天候に左右される2輪モータースポーツは他に類を見ませんが、例えばテニスや自転車競技の世界での "Rained-OUT = 雨天開催中止" は特に珍しいことではありません。

参加型のアマチュアスポーツであっても原理原則はまったく同じことですが、多くの資金が必要でその回収には走り続けるほか術のないプロフェッショナルスポーツではなおさら、遠方からのエントリーと集客に広く期待するビッグレース・イベントを考えるとき、予想される天候を主催者が読み誤り、開催を強行して人々に無駄足を踏ませてしまうようなことは、できれば避けたいところです。

画像: お客様ガッカリ!関係者ゲンナリ!LIVE中継時間を優先した結果・・・

インターネットでの全世界へのLIVEストリーミング (決勝レースのみを有料コンテンツとして提供) から得られる視聴料を "イベント興行収入" の軸に据える今日のAFTの台所事情は、たとえ雨雲が近づき空が真っ黒に陰ってきたとしても、レースを安全かつ円滑に全うするために、タイムテーブルの前倒しなどの臨機応変で適切な対応を取ることを難しくさせているようです。

レースのためにマシンを整備し、チームトレーラーを場合によっては数百キロ超も走らせて会場へ向かったすべてのライダーとクルーは、わずか2周しか走らなかった決勝レースへの "参加賞" として、ルールブック規定の1ポイントを獲得 (本来優勝者には25ポイントが与えられます) 、タイヤが減り汚れたマシンと濡れたチームテントをトレーラーに押し込んで帰路につくことになりました。

motoGPスタイル?のピットウォークや、放送時間重視の無意味なレース間のインターバルを省く、あるいは周回数を減算するとか他クラスの表彰式を後回しにする (今回はこの部分を悠長にせいで雨雲に追いつかれた、という関係者の意見多数) とか、進行をコンパクトに圧縮してレースをなんとかして成立させる方法はいくつもあったはずです。

先週このコラムでご紹介したインディアンファクトリー撤退の噂も然り、かなり末期的な様子で心配ですが・・・次のレースでは雨雲レーダーと週間予報くらいはチェックしてもらいたいものです。

ではまた金曜日の "Flat Track Friday!!" でお目にかかりましょう!

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