トホホ路面の元凶は、配信放映権料を最重視する銭ゲバ守銭奴AFTにあり？
WELCOME RACE FANS!! ダートトラックライダー/FEVHOTSレースプロモーターのハヤシです。元来4輪レース用に作られた1/4マイル (約400m) のトラックで行われた今回のレース、17〜18秒程度のスローペースで周回する練習走行でのラップタイムからも、映像や写真からも、そしてトラックのイン側に堆く積み上げられた土 (雨でヌルヌルになった表土をレース直前に重機で削って押しのけた証左) の様子からも、当日に向け行われた数週間にわたる万全のトラックプレップ (プレパレーション = コース整備) が実を結んだかたち、とはとても言えないものだったようです。
イン側には押しのけられた表土・レコードラインとなる中央部はガタガタボロボロ・かろうじてアウト側のみが当初の平滑さの名残を残しています。このコンディションで "決勝レース前" らしいですよ。
安定して平滑な路面とスムーズな進行こそが、ライダーの生命を護り安全を確保し、最高のパフォーマンスと白熱したレース展開で観客を魅了する・・・というのがこのスポーツの文字通り "生命線" だと筆者は考えるのですが、直前までの現場の状況がどのようなものであれ、定刻通りにライブ配信をスタートさせ、予め設定した尺 (CM枠とか色々のオトナの事情あり) のなかでとにかくイベントを完遂する、というのが、リモート慣れした社会に対する現代的なレースビジネスだとAFTは考えているようです。現在の主催体制となって以来、今回のようなため息しか出ないコンディションでのレースが強行されたことは、一度や二度ではありません。
実験的新種目 "オーバル・モトクロス" のレース会場はこちらになります？？？
かつて全米最高峰レースがAMA / グランドナショナルチャンピオンシップと呼ばれた時代には、実際に走る当事者であるライダーの意向は、現代より強くアピールできるものであったように感じます。今から15年ほど前には、年間シリーズの最終戦が客入れまで済んだ決勝レース直前に、路面不良を理由に中止となって、そのままシーズンが終了したことさえあります (エントリーするライダーの過半数が出走をボイコットしたという説あり) 。
すでに現体制に近い形で運営されるようになっていた7年ほど前には、路面の保水力と撒水頻度がマッチせず、前が見えないほどの土煙のなかでこれまたやや強行的に開催されたマイル戦で、2名の若いライダーが命を落とし、複数人が病院送りとなる痛ましい出来事もありました。
ライダーなりプロモーターなり、内から迸るように溢れ出る "SHOW MUST GO ONの精神" てのはわからなくもないんですけど・・・ビジネスが優先されるとなかなか辛いものがあります。
農夫のようにその土地の土と空模様を知るローカル・プロモーターが仕切る地方イベントのほうが、今のAFTより遥かにレベルの高い仕事 (意識も？) をする、というのが最近の定説のようです。
優勝はオーバル初勝利のJD・ビーチ！走るというか飛んでますけど？
そんなガタガタボロボロで左足も降ろせないほどの路面を制したのは。インディアンFTR750よりコンパクトなヤマハMT-07改を駆るJD・ビーチ。今日のトップコンテンダーのひとりであり、現役チャンピオンにアゴを掴まれるほどの (！？) 実力者ですが、意外にも最高峰クラスでのオーバル戦は初優勝。2位には同じくエステンソン・ヤマハのダラス・ダニエルズが入り、いつも上位のインディアン勢が中盤に下がったことで、メイカーによっても得手不得手なレーストラックがあることが見えてきたかたちです。
次戦第8戦は来週末25日、伝統のクッション "ピー・グラベル" 1/2マイルがオハイオ州ライマで開催されます。インディアンがあまり勝たないとちょっと面白いシーズンになる？ような気がしてなんだか面白くなってきました。
ではまた金曜日の "Flat Track Friday!!" でお目にかかりましょう！
