昔ながらのダートトラックスタイルにぐんと近づく象徴的なアイテムのひとつ "トラッカーシートカウル" 。筆者のもとに舞い込んだお取り寄せのご依頼により、今回本場アメリカから入手したこちらのテールセクション、ご要望通りストリートでの使用にも耐えうるしっかりとした品物でやや割高な製品なんですが、カウルとシートクッションを注文したつもりでいたらなんと!手曲げパイプでしっかりとした造りの "シートレール" まで一緒に送られてきたのでした。カスタム手間いらず!?

カウル形状に合わせフレームあれこれ弄ってきた四半世紀(!)の苦労・・・

WELCOME RACE FANS!! ダートトラックライダー/FEVHOTSレースプロモーターのハヤシです。長い時間乗ったら尻が痛くなりそうに薄いシートパッド (=クッションスポンジ) と、滑る路面に加重を伝え易い独特のリアカウル形状が特徴的な、所謂 "トラッカーシート" には、歴代の有力フレームビルダーとチューナー、そしてライダーたちによって練り上げられた、およそ10種類くらいの伝統的な形状があります。

今回まで224週続けて連載中の当コラムからか、あるいは筆者主宰のレースシリーズFEVHOTS (COVID-19禍への対応で休止3年目・・・) のWEBサイトを見つけてか、本場のレーシングパーツ購入を希望されるイチゲンさんからのお問い合わせって時折当方に舞い込むのですが、今回のご依頼はシュっとして細身、ややクラシカルな "チャンピオンフレーム・スタイル" のシートカウルとクッション、それもストリート・カスタムでの使用を目的とした、十分な強度をもって質感の高いやつ、というオーダーです。

画像1: カウル形状に合わせフレームあれこれ弄ってきた四半世紀(!)の苦労・・・

レースでの使用を念頭にした、薄手で軽量・しかも安価なFRP製タンクとかシートカウルをこしらえる専門メイカーの品を取り寄せることはしばしばありますが (思い返せばこれまでおそらく数十セットを輸入しました) 、今回は珍しく街乗り対応を希望されるお問い合わせ。固定方法や割れ対策を考えるといくらか重量は増しても、厚手のFRPカウル・剛性をサポートするしっかりとしたシートクッションがより好適だろうと思われたので、名の知れたアフターマーケットのシートメイカーが (実はひっそりと?) カタログにラインナップするこちらのセットアップを選択。

画像2: カウル形状に合わせフレームあれこれ弄ってきた四半世紀(!)の苦労・・・

アメリカン・クルーザー各種を筆頭に様々なメイカー・モデル用のアフターマーケット・シートで定評のあるブランドだけあって、表皮の縫製や質感は極めて上質です。レース向けパーツはおよそ半額くらいで入手できますが、シートクッションに関してはほぼオマケ程度のクオリティなので、街乗りなら断然こちらがお勧めです。こちらのメイカー、実は生地の素材だけでロール買いもできるとのこと・・・というか個人的に追加で発注済み!ほどほど滑ってスポーツするうえで体重移動がし易く、耐久性も高いこちらの表皮、国内で探してもなかなか似た良い生地が見つからないんですよねー。

画像3: カウル形状に合わせフレームあれこれ弄ってきた四半世紀(!)の苦労・・・

あとは好みですけど、モロソ社のセルフエジェクトファスナー (クイックファスナーとかDZUSファスナーと呼ばれるやつ) なんかで要所を固定されてると最高に雰囲気なのじゃないかなぁ?と思います。マイナスネジ1/4回転の押回しで簡単に脱着できるレース専用パーツ。あちらの有名工具メイカー各社には、このタイプのファスナー専用のマイナスドライバーなんてのもあるみたいですよ?

如何に正しくフィッティングするかが最大の課題だったんですけどね・・・

いやはやしかし、今回の輸入アイテム、溶接可能なスチール製シートレールが付属するってのには驚かされました。スポーツライディングをする上で適切な着座位置に、カウルを撓ませずしっかりと固定するために、やれ既存のフレームに櫓を立てたりステーを生やしたり下駄を履かせたり、これまでありとあらゆる手を使ってきましたが・・・これなら全部取り除いてシートレール再溶接するだけじゃないですか!そうかあちらのカスタムはここまでイージーなのね・・・。

画像: 如何に正しくフィッティングするかが最大の課題だったんですけどね・・・

シートカウル下の "インナーフェンダー" の造りなども、あちらのレース用マシンを参照するとなかなか面白いですよ (サスペンションの取り付け方法それでいいのか!とかも) 。今回ご用命いただいたSさん、ありがとうございました。ステキなカスタムマシンが完成することをお祈りしています。

ではまた金曜日の "Flat Track Friday!!" でお目にかかりましょう!

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