気が向いたらフラっとトラックに足を運んでちょっと軽く乗っちゃう・・・我が家の裏庭にコースがあればそんな気安い日常もありえますが (それはそれで理想型) 、大多数のライダーにとってスポーツは予定して準備して整理してわざわざその場所まで出向くもの。とするならば貴方が "乗らない時間" をどう組み立てるかも、パフォーマンスの善し悪しにはきっと大きく影響を与えるはずです。

いつでもスポーツの現場へ "足を運ぶ前" にきちんと準備を整えてますか?

WELCOME RACE FANS!! ダートトラックライダー/FEVHOTSレースプロモーターのハヤシです。しっかり整えられた好条件下での集中したライディングは、貴方の経験の "ベースライン" となります。様々に悪化していくコンディションへの対応ができるか否かももちろん重要ですが、規範となるスタンダードスキルを高めていくには、最良の状況での最高のパフォーマンスを追求することが最もシンプルかつ効果的です。あとは引き算、あるいはマイナスの掛け算を受容すればいいのですから。

画像1: Jared Mees Racing
Jared Mees Racing

ライダーがどこまでDIY整備スキルをもつべきか?という問いには定量的なイメージがあるわけではありませんが・・・自分でエンジン開けられなくてももちろんスポーツ自体はできます・・・トラブルの予兆を感じ取る嗅覚、自分のマシンの運動原理を知識として知っておくこと、事前に消耗品類を補完し当日現場では直ちに走り出せる状況をマネジメントすること、あるいは乗車前後の整備や洗車のために場所と時間を確保すること、くらいは必須でしょう。

20年ほど前だったでしょうか、AMAのプロダートトラック選手権の会場で、マシンから前戦の汚れも落とさないまま会場にやってきたクルースタッフに激怒し、レース当日にチームを離脱したライダーがいました。プライベートな非プロスポーツの場面で、どこまで "シリアスモード" で取り組む必要があるかは人それぞれに温度差もあるでしょう。しかし勝ち負けにある程度まで拘るのであれば、勝つ為にすべきこと、負けないためにはすべきでないこと、を知っておいたほうがいいはずです。

食事だって睡眠だって、アスリート向きのものとそうでないものがあります

瞬発力と持続力のどちらもが必要なハードなスポーツに取り組むうえで、身体づくりに向いた食生活や効果的な睡眠を追求するのも、無用なストレスにさえならなければ十分メリットのあることです。

画像2: Jared Mees Racing
Jared Mees Racing

テックスメックスフードとエナジードリンクを摂りまくってもそれだけでチャンピオンにはなれませんが (スポンサー万歳!) 、目的意識をもって自身の生活をマネジメントする習慣のひとつという意味では、口にするものにある程度気を遣うのは、価値ある取り組みとなるでしょう。

アルコールが身体にもたらす作用についても感覚として知っておくべきかもしれません。試すことなど全然オススメしませんが、缶ビール1本分が身体に入っているだけで運動のパフォーマンスは確実に低下します (他に人っ子ひとりいないプライベート・トラックで過去何回か確認済み) 。前日の深酒を控えるだけでパフォーマンスが向上するのなら、これほど簡単なこともないでしょう。

バイクに乗りに行った現場では食事も楽しみのうち・・・というのもひとつの考え方でしょう。しかし日常からリズミカルな食生活を取り入れていれば、バナナとプロテインバーと水のみを放り込むだけでも半日くらい腹具合は無視しておいてもいいかなぁ、というのが筆者の近ごろのスタンスです。

乗りに行けないなら乗れるものに乗る、という代替案で身体の状態を維持

身体とマシンのコンディションが整い (いつも通り、とかでなくベストの状態を目指すものとして) 、鼻息荒くトラックサイドにスタンバイしたとしても、路面コンディションがある水準以上でなければ、真の意味での "楽しい楽しいダートトラックレーシング" には到達しえません。好みの路面を作りながら走るのもこのスポーツの醍醐味?・・・いやいやそれはスポーツ以前の前提のお話です。

治まらない二日酔い、ちっとも本調子でないマシン、箸にも棒にもかからない悲惨なトラックコンディション・・・まぁ極端な例ですけど・・・和を乱す要素がほんのひとつでもある限り、今日という日は "それなりの消化試合" になってしまうことでしょう。逆説的に言うならば、記憶にも記録にも長く残るような、ダートトラックでの素晴らしき一日は、奇跡のような巡り合わせの上に成り立っているものなのかもしれません。

画像3: Jared Mees Racing
Jared Mees Racing

筆者が初めて自分の左足に鉄スリッパーを括り付けてからもうじき四半世紀となりますが、その初期のころには晴れても降っても泥濘るんでいてもとにかく乗りまくりたい!という欲求がありました。その後次第にレース仲間が増えるにつれてコミュニティの魅力に惹き付けられていくと、たとえ乗れないコンディションでもダベりに行こうって話で片道100kmかけて雨天中止になりそうなレース会場へ向かったり (当時からの仲間には未だにチクチクいじられます) 、様々に無駄な時を過ごしてきました。

レースイベントを主催する立場となって以降は、可能な限りの良コンディションを提供することは当たり前として、とにかく参加者に無駄足や出費を強いないことが重要な題目となってきます。と同時に、とことん整った条件のときだけ乗れたらいいや、という達観 (いや諦観? ) すらも芽生えてきました。コンディション不良ならさっさと代替案で身体の状態を維持したほうが合理的、なのです。

身近でなら自転車乗るとか (ロード・山チャリ・BMX・・・やたらと凝り出したら本末転倒なのでほどほどに) 自らの足で走るとか・・・

画像4: Jared Mees Racing
Jared Mees Racing

"トレーニングのため" のオフロード・ライディングなら路面ガタガタでもヌルヌルでも、コンディションに応じたそれなりのテーマをもって十分以上の汗をかくことができます。そう考えるとダートトラックを他種目のトレーニングメニューとして捉えるのってすごく贅沢なことなんですね・・・

とまぁそんな具合に、乗れても乗れなくても1日24時間365日、自身のライフスタイルの根幹にスポーツを真摯に据えることが日々を豊かにしてくれているのだなぁ、などと考える今日このごろです。

ではまた金曜日の "Flat Track Friday!!" でお目にかかりましょう!
皆さん素敵なゴールデンウィークをお過ごしください。

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