1周およそ400m以下のオーバルが主戦場となる "ショートトラック" は、マイル・ハーフマイルレースを開催可能なフィールドに乏しいここ日本で、ダートトラック競技の中心となるカテゴリーですが、その花形である大排気量単気筒マシンは、過去20年というもの、ほとんどその基本的な構成を更新していません。これは言わばある種の極北?完成形?ということなのでしょうか?

ショートトラッカーにとっては2006年が最後の大転換期、だったようです

WELCOME RACE FANS!! ダートトラックライダー/FEVHOTSレースプロモーターのハヤシです。引っ越し!断捨離!そろそろ新装開店!?ということで、新年度のはじまりに合わせ、筆者がこれまで手元に溜め込んでいた長期在庫のパーツとか車両とか雑誌新聞写真とか・・・過去20年分くらいのストックの総ざらいを粛々と進めているところなんですが、なかでも2000年代初頭の雑誌記事とか資料の整理が大ゴトです。もう段ボール何箱分くらい処分したんだろう。

当時世の中は空前の "ストリートトラッカーブーム" だったので、結構いろんな国内メディアが本場のプロレースのことやら国内の競技事情やらビギナー向けハウツーやらを特集していて、およそ見たことも走ったこともなさそうな諸氏のお書きになった内容極薄のもの (リアブレーキをガーンと踏んでキミもカッコよくレッツトライ!とか書いてるけど怪我人出なかったのかな?) もあったり、ほぼ毎月本場のレース事情がカラーで数ページ連載されていたり、いろいろ凄い時代だったなぁ、と感じさせます。

画像: PC: Lowery Racing

PC: Lowery Racing

2006年ごろの全米プロダートトラック選手権のルール変更によって、単気筒カテゴリーでは専用フレームから外装までほぼ一点モノの集合でライダー好みに誂えられた、いわゆる "フレーマー" 車両が姿を消し、モトクロッサーをベースとした "DTX" 車両のみによって競われるようになると、次第にアマチュアクラス・ローカルレースにもその潮目は伝播してゆき、(もちろんヴィンテージクラスなどは例外ですが) 今ではこちらが主流派となっています。

これらDTX、当然ながら各社モトクロスレーサーの進化とともに年々ビジュアルを少しずつ変えてはいるんですが、キャブレターからFI: フューエルインジェクションに燃料供給方式が変わったり、スポークホイールが削り出しホイールになったりはするものの、基本構成は不変です。フレーマーに比べてお安く作れる、というのが当時の売り文句だったんですが、2003年に70万円弱だったあるメイカーの450ccレーサー、今年モデルは100マン超えですからねー。物価変動とか消費税率とか要因はいろいろありますけど・・・ベース車価格1.5倍はなかなか痺れますね。生産台数も公称7割減くらいだから中古のタマもなかなか出ませんけど?うーむ。

最新鋭のコンペティションマシン = DTXだけでなくフレーマーも、プロレースでの需要がないのでここ15年というもの進化は止まっちゃっていますから、実は中身の熟成こそあれ、外観上は大きな変化に乏しいのです。一番今っぽい姿・・・と思っていた本日の記事冒頭写真、ティアドロップ型フューエルタンクだってすでに25年前くらいからある形状です・・・。

基礎練向きの100ccもビギナーに優しい230ccもすでに中古でしか買えない昨今、次の大きな転換期はやっぱり、電動化の大波?がコンペマシン業界にもザザっと打ち寄せるころなのでしょうか。

年齢層上がって人数アレで・・・次の10年期はどうなるのでしょうか?

昔は良かった式の懐古調で語ってもなにも事態は変わりませんが、さまざまなイベントの活況とか若い人たちのライフスタイルへの刺さり方とか・・・、あの頃はいろいろな好機が重なっていただけなのかもしれません。もうきっとあんな時代は戻ってこないのだろうし、ただただグルグルと回り続けるシンプルなスポーツだからこそ、次の一手をどう打つか?ダラダラ継続するということではなく、新味と刺激を求めて模索を続けることにしましょうか。とりあえず棚卸しと病禍が終わるまでになにか考えます。

ではまた金曜日の "Flat Track Friday!!" でお目にかかりましょう!

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