3月3日に発表された欧州ヤマハの「Yamaha Motor Switches ON」で紹介された、着脱式バッテリー搭載の出力2.5kWクラス電動スクーター「NEO'S(ネオス)」の詳細が明かされました。なおNEO'Sは、順次ASEAN(アセアン=東南アジア諸国連合)のマーケットでの発売も予定されているとのことです!

50ccスクーターユーザー層の、"EVシフト"を見込んだ製品!!

周知のとおり、近年日本国内では原付一種=ICE(内燃機関)50cc車市場が"バイクブーム期"・・・1980〜1990年代のレベルに比べると圧倒的に縮小してしまっています。なお欧州でも、50ccクラスの規制変更や125ccクラススクーター人気により、50ccクラスは日本同様に停滞気味なのが実情です。

しかし欧州では近年電動スクーターの普及とともに、いわゆるモペッド免許で乗れるモデルへの注目が高まっているそうです。つまりNEO'Sは、これから50ccスクーターに代わるものとしての需要増が見込まれる、欧州向け電動スクーターの第一弾と言えるモデルです。

画像: 進入禁止などの都市制度の変化、そして駐車問題・渋滞などにより四輪車通勤から2輪車通勤へ切り替える新規層。および従来のICE50ccスクーター利用者層のEVシフトによる電動スクーターへの需要増という、欧州市場のニーズに応える「NEO'S」は今年3月から発売されます。 ©︎ヤマハ発動機

進入禁止などの都市制度の変化、そして駐車問題・渋滞などにより四輪車通勤から2輪車通勤へ切り替える新規層。および従来のICE50ccスクーター利用者層のEVシフトによる電動スクーターへの需要増という、欧州市場のニーズに応える「NEO'S」は今年3月から発売されます。

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画像: 「NEO'S」のフィーチャーマップ。ヤマハが過去に販売した電動モデル・・・「Passol」や「EC-03」にも採用された、独自のインホイールモーター技術「YIPU」=ヤマハ・インテグレーテッド・パワー・ユニットの発展版、「YIPUⅡ」をNEO'Sは採用しています。 ©︎ヤマハ発動機

「NEO'S」のフィーチャーマップ。ヤマハが過去に販売した電動モデル・・・「Passol」や「EC-03」にも採用された、独自のインホイールモーター技術「YIPU」=ヤマハ・インテグレーテッド・パワー・ユニットの発展版、「YIPUⅡ」をNEO'Sは採用しています。

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駆動方式は、ヤマハ電動モデル伝統の「YIPU」の進化版!!

1997年から欧州ヤマハで販売されてきたICE50ccスクーターの名を受け継ぐ電動のNEO'Sは、専用開発した空冷ブラシレスモーターを搭載しています。駆動方式は伝達ロスの少ないダイレクト駆動のインホイールモーターで、ヤマハ独自技術の「YIPU」を熟成させた「YIPUⅡ」になっています。

「YIPUⅡ」はバッテリーや走行状況などを反映し出力を制御するMCU(モーターコントロールユニット)、モーター、ハブ、リアブレーキをリアアームと一体化したユニットで、タイヤ交換などの整備性に優れるのが特徴です。

画像: 欧州L1eのスクーターであるNEO'Sの定格出力は2.3kW、最高出力は2.5kW(3.4ps)です。 ©︎ヤマハ発動機

欧州L1eのスクーターであるNEO'Sの定格出力は2.3kW、最高出力は2.5kW(3.4ps)です。

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NEO'Sのフレームは、専用開発されたバックボーン型を採用。フロントホイールは10本スポークの新作アルミダイキャスト製、リアホイールは低圧ダイキャスト製専用リムを装着。またリアタイヤには新開発低ロスタイプを採用することで、省電力化に貢献しています。

画像: NEO'Sはヤマハのデザインコンセプト「人機官能EVデザイン」に基づき、エルゴノミクスとメカニカルの対置を表現したスタイリングを採用。なおカラーリングはミルキーホワイトと、ミッドナイトブラック(写真)が用意されており、バッテリーカバーのアクセントカラーや3Dロゴのカラーには、ヤマハEVのイメージカラーに採用された「アクア」が使われています。 ©︎ヤマハ発動機

NEO'Sはヤマハのデザインコンセプト「人機官能EVデザイン」に基づき、エルゴノミクスとメカニカルの対置を表現したスタイリングを採用。なおカラーリングはミルキーホワイトと、ミッドナイトブラック(写真)が用意されており、バッテリーカバーのアクセントカラーや3Dロゴのカラーには、ヤマハEVのイメージカラーに採用された「アクア」が使われています。

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気になるバッテリーの仕様・・・そして、欧州での販売価格ですが・・・?

NEO'Sに搭載されるバッテリーは50.4Vリチウムイオンを採用しており、付属する専用充電器を使って欧州の家庭用電源(AC220V、2極プラグ)で充電できます(フル充電まで約8時間)。なおバッテリーは車載した状態でのプラグインでも、車体から取り外した状態でも充電可能です。つまりガレージに電源がある人はプラグインで、ない人はバッテリーを自宅室内に持ち込んで充電・・・と、住環境に合わせた充電方法が選べるようになっています。

画像: シート下トランクスペースの前側に、着脱式リチウムイオンバッテリーがおさまります。ちなみにオプションのセカンドバッテリーを装着した場合でも、レインスーツや小物を収納するスペースは確保されています。 ©︎ヤマハ発動機

シート下トランクスペースの前側に、着脱式リチウムイオンバッテリーがおさまります。ちなみにオプションのセカンドバッテリーを装着した場合でも、レインスーツや小物を収納するスペースは確保されています。

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航続距離はフル充電で約37kmと短めですが、別売りのセカンドバッテリーを併用することで約68kmまで伸ばすことが可能になります。なお使用バッテリーの切り替えは、走行中に自動的に行われる仕組みになっています。

画像: NEO'Sは2種類のライディングモードを選択でき、右ハンドルのスイッチで簡単にモード変更が可能です。STDモードは最高出力2.06kW(40km/h)となり、一般的な道路での使用を想定。ECOモードはバッテリー消費を抑えることを目的とするロングライドに最適なモードです。なおECOモードで最高出力1.58kW(30km/h)、最高速度35km/hに抑えられます。 ©︎ヤマハ発動機

NEO'Sは2種類のライディングモードを選択でき、右ハンドルのスイッチで簡単にモード変更が可能です。STDモードは最高出力2.06kW(40km/h)となり、一般的な道路での使用を想定。ECOモードはバッテリー消費を抑えることを目的とするロングライドに最適なモードです。なおECOモードで最高出力1.58kW(30km/h)、最高速度35km/hに抑えられます。

©︎ヤマハ発動機

3月3日の「Yamaha Motor Switches ON」の発表では明らかにされていなかったバッテリーは、ヤマハが台湾で協業しているGogoroの1.7kWhバッテリーとも、ホンダの50.26V・26.1Ah/1,314Whのモバイルパワーパックイーとも、全く異なる「BFM-00」という型式のものでした。

昨年9月、ヤマハがホンダ、KTM、ピアッジオと協業契約を締結した"SBMC"=スワッパブル バッテリーズ モーターサイクル コンソーシアムにより、生まれることになる交換式バッテリーが、NEO'Sに搭載されていたら・・・と期待していましたが、「BFM-00」の形状や装着方法、そしてスペックから判断するとヤマハE-Vinoに搭載されているタイプに似た、ヤマハ独自規格製品のようです。

画像: ヤマハE-Vinoのバッテリー(写真左側)とスペアバッテリー(同右側)。 www.yamaha-motor.co.jp

ヤマハE-Vinoのバッテリー(写真左側)とスペアバッテリー(同右側)。

www.yamaha-motor.co.jp

E-Vino用の「ESB4」は50V・10Ah(10H)ですが、NEO'S用の「BFM-00」は50.4V・19.2Ah(5H)というスペックになっています。Gogoro交換式バッテリーやホンダモバイルパワーパックイーに比べるとちょっと容量が少ないな・・・と思ってしまいますが、ICE51〜125cc相当の電動スクーターでなく、50cc相当の電動スクーターであるNEO'Sでは、これくらいが価格やサイズ的にちょうど使い勝手が良い・・・ということなのでしょう。

バッテリーの仕様とともに気になっていた・・・欧州でのメーカー希望小売価格は2,999ユーロ≒38万4,640円でした! 4ストローク50ccの現行型Neo'sの価格が2,674ユーロ〜という設定ですから、これは非常に"戦略的"な価格設定と言えるでしょう!

欧州での販売計画は年1万台・・・とのことですが、2022年にどれだけのNEO'Sが売れることになるのか・・・注目したいですね!

ヤマハ NEO'S 主要諸元

画像: ※1 バッテリー1個搭載時、WMTCクラス1/STDモードでの測定値。※2 ECE R85テスト方法に準拠。 ※3 環境により変動します。 ©︎ヤマハ発動機

※1 バッテリー1個搭載時、WMTCクラス1/STDモードでの測定値。※2 ECE R85テスト方法に準拠。 ※3 環境により変動します。

©︎ヤマハ発動機
画像: 2022 Yamaha NEO’s electric scooter. Move Smart youtu.be

2022 Yamaha NEO’s electric scooter. Move Smart

youtu.be
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