10年ほど前からだったか、ヨーロッパ各地では所謂アメリカンスタイルのダートトラックレーシングに注目する動きが様々に立ち上がっています。現役GPチャンピオンも参加する異種格闘技風味?のイベントレース、超有名ロードレースライダーが自身のトレーニングのために郊外に拵えた広大なプライベートトラック、あるいはストリートシーンで (かつてのニッポンよろしく) ダートトラックスタイルのカスタムマシンがもてはやされ、ついに昨年にはFIM主催の世界選手権がスタートするなど・・・これらムーブメントの源流には、どうやら今から25年以上前にあの "キング" ケニー・ロバーツが仕掛けて撒いた、数々の種があるようなのです。

キングが!ジェイが!ヘイデン兄が!こんなの生で見られたら・・・ねぇ?

WELCOME RACE FANS!! ダートトラックライダー/FEVHOTSレースプロモーターのハヤシです。先週のコラムでランディ・マモラ若き日のダートトラック姿を捉えたモノクロ写真をサラっと掲載したんですが、こんなの初めて見た!とか知らなかった!とかなかなかの反響をいただきまして、他にもまだまだ紹介していない映像があることを思い出しました。

こちらの映像は、そもそもアメリカン・ダートトラックから自身のキャリアをスタートさせたケニー・ロバーツ・シニアが、今から25年前の1996年、アメリカと欧州でロードレーサーのトレーニングのため構成していたダートトラック・プログラムの一環として、カタルニア・サーキット近傍に自身のデザインで造った400m超級の仮設ショートトラックに、当時アメリカで第一線を走っていたライダーたちも招き、観客を入れてショーアップした、ダートトラック・レースイベントの模様です。

画像: Kenny Roberts Training Ranch 1996 youtu.be

Kenny Roberts Training Ranch 1996

youtu.be

言わずと知れた英雄ジェイ・スプリングスティーン、今でも時折プロとして走るロニー・ジョーンズ、ロードレース畑からランディ・マモラ、ジミー・フィリス、デビュー当時は弟ニッキーよりダートでは強豪と注目されたトミー・ヘイデンらが、星条旗&マールボロカラーのROTAXエンジンの単気筒ダートトラッカーを駆り、キング・ケニーとのエキシビジョン・ヒートも見ることができます。

"観る側の視点" がショーとしてのレースの一部を形づくる。

仮設の会場でトレーニングが目的、と言ってもしっかり観客のためのスタンド席があり、レース実況を熱っぽくがなり立てるMC (マスターofセレモニー) が入り、四半世紀後に我々が目にする事ができたこのような映像の記録が残される・・・乗り手側の主観だけでなく多角的な思惑を交叉させる場がこのように作り上げられ種を蒔かれたことで、奥行きのある息の長い "カルチャー" とも言えるコンテンツが新たに芽吹いていった、と言えるのではないでしょうか。

無い物ねだり?で指くわえて羨ましがってる場合じゃないなこりゃ。今さらですけど。
ではまた金曜日の "Flat Track Friday!!" でお目にかかりましょう!

画像: "観る側の視点" がショーとしてのレースの一部を形づくる。
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