パンがなければケーキを食べればいいじゃない、と言った (らしい) 世間知らずさんは民衆の怒りを買いましたが、ダートトラックの世界へ初めて足を踏み入れたエントリーユーザーにとって身近な存在だった軽量級マシンは現行車種がイマイチ?なため軒並みプレミア価格化・・・と思っていたらそればかりでなく、最近は単気筒フルサイズの中古車もなかなか手に入りにくい厳しい状況。だったら中量級カテゴリーに注目して、マシン選択の可能性を少しでも拡げてみるのはいかがでしょうか?

"楽しさ" をどの視点で求めるかによって車両選択の幅は大きく拡がります

WELCOME RACE FANS!! ダートトラックライダー/FEVHOTSレースプロモーターのハヤシです。ちっちゃくて手頃で、ダートトラックライディングの第一歩にピッタリ (と我が国では広く信じられている) 空冷100ccのマシンが新型にモデルチェンジしてからというもの、旧型中古の価格は強烈に高騰、なんと新車より高くてタマ数も不足、新人さんたち血眼で探しまくり、という話は以前こちらでご紹介しましたが、実は各社現行ラインナップの単気筒マシンで最も強力な450ccモトクロッサーもここ数年で中古の数がたいへん減っています。

そもそもメイカーからの新車出荷台数が大幅に減少しているからか、エンデューロ・レース人気でそちらに中古車が流れた?か。原因はひとつではなさそうですが、とにかく450ccクラスの車両も買い求めるのが難しくなってきているようです。

新車より値の張る100ccクラスのプレミア中古車においそれと手を出せる方、3ケタに迫る新車の450ccモトクロッサーをポーンと買っちゃう方にはもちろん縁遠い話ですが、買ってからも走り出すまでには、あれこれカテゴリーへの最適化に予算が必要な宿命を背負ったダートトラック、まずは手頃な価格で車体を手に入れたいところ。

エイヤっと丸ごと車体1台を作り込んでしまうなら、様々なベースマシンに可能性があるのは確かなんですが、それにしたってどんな車種にフォーカスするかは当初から目星を付けておくべきでしょう。というわけで今回は、4ストローク150cc / 2ストローク85ccクラスの小さめ市販水冷モトクロスマシンに、素材として注目してみることにします。

車高ダウン + 前後17インチ化が (本場ではお子様向けの) 必須メニュー!

各社から販売されているこのクラスのモトクロス専用車は、プレミア高騰中の100ccミニバイクと同じ、前19インチ + 後ろ16インチの組み合わせの "ビッグホイール" と、より小さな前17インチ + 後ろ14インチの "スモールホイール" の2種類に大別できます。

画像: こちらはホンダ製4ストロークの現行市販車CRF150RII。19+16インチの "ビッグホイール" 。

こちらはホンダ製4ストロークの現行市販車CRF150RII。19+16インチの "ビッグホイール" 。

いずれも160cm・60kgを超えるような一般的なサイズの大人向けではなく、成長期の子供や小柄な方にしっくり来るような "明確な小振りサイズ" ですが、我らが100ccミニバイクとは異なってストロークの大きい前後サスペンションを装備するため、オフロードでの凸凹走破性は遥かに高いものの、ダートトラック走行にはやや重心が高すぎるため車高下げ→競技専用タイヤを履かせられる前後17インチ化がまずは本場での定番メニューです。お子様サイズのマシンを作る場合、の話ですが。

画像: こちらは旧車、2ストロークのCR85Rをベースに仕立てられた "DTX仕様" 。ライダーは身長140cm。

こちらは旧車、2ストロークのCR85Rをベースに仕立てられた "DTX仕様" 。ライダーは身長140cm。

買ってきたそのままで走り出すことをお勧めできないのがハードル高めな印象?かもしれませんが、なににせよこのスポーツカテゴリーでは市販品に手を加え、"状況に最適化" することが準備の第一歩、の現れと言えるかもしれません。もちろん本場アメリカの厚い競技層なら、誰か成長期のお子様からのお下がりも期待できるでしょうけど・・・。

画像: 車高ダウン + 前後17インチ化が (本場ではお子様向けの) 必須メニュー!

大の大人にはハッキリと小さめなマシンですが、基本動作を身につけること、性能を使い切って走らせるという目標をいずれクリアできる (ように思える) 手頃なパワー感、そしてなにより各社現行ラインナップのため入手が容易にできること、社外チューニングパーツも豊富に選ぶことができる点など、先々の拡張性を含め条件の整ったカテゴリーと言えるでしょう。

前後19インチ・フルサイズ化や独自の車体にエンジン搭載などの選択も?

やがてフルサイズの (450ccとかの) マシンに乗ることを次の目標としたり、背格好が大柄でミニサイズはどうしても窮屈な方には、ホイール入手やスイングアームの延長などモディファイの手数は増しますが、前後19インチに変更して車格は大きく意識も高く?車両を仕立てていくことも可能です。

画像: こちらの4ストローク150ccマシンは前後19インチ化。ライダーはあちらの12歳の少年とのこと。

こちらの4ストローク150ccマシンは前後19インチ化。ライダーはあちらの12歳の少年とのこと。

あるいはより軽量で雰囲気満点の、トラディショナルな "フレーマースタイル" を目指してエンジンドナーに。作り込めればレースでの戦闘力も所有感も十分満足の行く、趣味の1台が手に入ります。

画像: 現在AFTトップカテゴリーで活躍する若手ライダー、ジェームズ・リスポリが駆って少年時代にアマチュアレースで大暴れした2ストローク85cc・17インチの本格ミニフレーマー (手前) 。前後ホイールリムがやけに太い。

現在AFTトップカテゴリーで活躍する若手ライダー、ジェームズ・リスポリが駆って少年時代にアマチュアレースで大暴れした2ストローク85cc・17インチの本格ミニフレーマー (手前) 。前後ホイールリムがやけに太い。

我が国で運転免許区分や車検制度の有無から、手頃に所有できるオートバイの筆頭カテゴリーである230〜250ccの公道仕様車をベースにスポーツを楽しむ方法もありますが、それより少しだけパワフルでそれでもまだ手の届き易い150cc / 85ccモトクロスマシン。作り込む手腕と走らせる技術のいずれも鍛えることのできる、次世代のエントリーマシンとしておひとつ手元にいかがでしょうか?

筆者ハヤシは5年くらい前に一時所有していてそののち手放したんですが、掘り下げと探求がまだまだ甘いような気がして (何故?) もう一度手に入れて仕上げようかなぁと最近だいぶ悩んでいます。

ではまた金曜日の "Flat Track Friday!!" でお目にかかりましょう!

画像: 前後19インチ・フルサイズ化や独自の車体にエンジン搭載などの選択も?
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