スカンジナビアン・デザインの高品質な電動バイクを生み出すスウェーデンのCAKE(ケーキ)が、同社の電動オフロードモデルを使う"新しい"モータースポーツイベントを8月20〜21日に開催することを公表しました! いろいろユニークな仕掛けがあるに興味深いイベントなのですが、一番興味深いのは男女16人のライダー参戦する、"ジェンダーニュートラル"(男女の性差のいずれにも偏らない)イベントとして企画されていることでしょう。

男女が4X(フォークロス)で、ラウンドロビン形式で戦います!

スウェーデンのCAKEはプレミアムな軽量電動オフロードバイク、Kalk(カルク)OR Raceを販売していますが、同社が開催するイベント、「CAKEワールズ」の第1回「CAKE Kalk ワン・デザイン・グローバル・チャンピオンシップ」にはこのKalk OR Raceが8台使用されます。

画像: CAKE Kalk (ケーキ カルク)OR レースは、オーリンズ製サスペンションを前後に採用するKalkシリーズの最上級モデルです。価格は13,000ドル≒143万2,700円ですが、月に1,083ドル≒11万9,350円でリースするプランも用意されています。 ridecake.com

CAKE Kalk (ケーキ カルク)OR レースは、オーリンズ製サスペンションを前後に採用するKalkシリーズの最上級モデルです。価格は13,000ドル≒143万2,700円ですが、月に1,083ドル≒11万9,350円でリースするプランも用意されています。

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このレースに参加することになるのは、エンデューロ、モトクロス、スーパークロス、ダウンヒルMTBの各分野から選ばれて招待される、世界各国のプロライダー16名です。非常にユニークなのは、男女16名がMTBなどで採用されるレース形式である4X(フォークロス)、そしてラウンドロビン(総当たり)形式で戦い、その後ノックアウト形式で勝者を決めるというルールを採用する点でしょう。

画像: ダウンヒルMTBや、エクストリーム系競技で採用される4X(フォークロス)は、4台同時スタートで速さを競うレース形式です。第1回「CAKE Kalk ワン・デザイン・グローバル・チャンピオンシップ」も、この形式で準決勝、決勝まで競われます。 ridecake.com

ダウンヒルMTBや、エクストリーム系競技で採用される4X(フォークロス)は、4台同時スタートで速さを競うレース形式です。第1回「CAKE Kalk ワン・デザイン・グローバル・チャンピオンシップ」も、この形式で準決勝、決勝まで競われます。

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気になるのは用意されるバイクが8台、参加ライダーは16名、4Xで走るのは4台・・・と、いろいろ数が合わないのでは? という点でしょう。これは1戦で4台を走らせ、その間に予備バッテリー交換や充電などを行うため、というEVならではの事情を考慮するとともに、使用車両を各ライダーで共用することで競技の公平性を保つ意味もあります。

野望は「2輪レース」の復活!! という壮大なものです!?

「CAKE Kalk ワン・デザイン・グローバル・チャンピオンシップ」を考案し、主催するのはCAKEの創業者兼CEOのステファン・イッターボーンであり、競技仕様の構築を担当したのはレースディレクターのJPバローロです。

戦いの舞台となるのは、スウェーデンのゴットリング特設会場であり、コース設計をになったのはスウェーデン国内のエンデューロ選手権で数々のタイトルを獲得しているロバート・クヴァーンストレーム。軽量で俊敏なCAKE Kalkのパフォーマンスを、フルに活かせるレイアウトになっているそうです。

画像: CAKEの電動オフロードバイク、Kalkシリーズは、既存のICE(内燃機関)搭載モトクロッサーと趣が異なるデザインが、高く評価されています。Kalk OR Raceの車重はわずか165ポンド≒74.8kgという軽さで、280Nmのトルクにより強烈な加速性能を堪能することができます。 www.facebook.com

CAKEの電動オフロードバイク、Kalkシリーズは、既存のICE(内燃機関)搭載モトクロッサーと趣が異なるデザインが、高く評価されています。Kalk OR Raceの車重はわずか165ポンド≒74.8kgという軽さで、280Nmのトルクにより強烈な加速性能を堪能することができます。

www.facebook.com

ステファン・イッターボーン(CAKE創業者兼CEO)
「私たちの野望は、伝統的なICE2輪モータースポーツイベントの衰退に対抗して、2輪レースを一般の人々に復活させることです。観客が楽しめる新しい競技スポーツが生まれる可能性は十分にあります。この"ワン・デザイン"は、都市部でのプロレース開催を可能にしています。騒音、最小限の周囲への影響、そして無公害でレースを行うことができるからです(過去15年間で、世界の70%のサーキットが周囲の反対により閉鎖を余儀なくされました)。これに加えて、限られたスペースで観客やメディアを惹きつけることができるのですから、これは画期的なことです」

オンロード・オフロード問わず、大きな会場を必要とすることや騒音などの問題により、住む人の多い都市部から離れた場所を舞台にせざるを得ないのは多くのレース団体・サーキット経営者の悩みの種です。しかし、CAKE Kalkのような軽量の電動オフロードバイクを使えば、EVの特徴である大トルクにより加速するための区間が短く済む小さい会場の構築が可能となり、騒音が少なく低公害なために都市やその近郊に会場を設定することも可能になります。

都市から会場までの移動が大変・・・というのは、既存のモータースポーツの多くが集客の障害として痛感する問題ですが、EVを使ったモータースポーツであれば、その問題をブレークスルーすることが可能になるかもしれません。

なおイッターボーンはこの企画を、レースシリーズとして開催する予定でしたが、COVID-19パンデミックによる混乱を考慮して、今年はこの1つのイベントに集中することにしたとのことです。来る2022年にはシリーズ戦を開催予定なので、8月の1戦で来年行われるシリーズ戦の雰囲気を体感してもらいたいと、イッターボーンは語っています。

画像: Silent city racing youtu.be

Silent city racing

youtu.be

男女が分け隔てなく楽しめるレース内容であることも、大事な要素です!

「CAKE Kalk ワン・デザイン・グローバル・チャンピオンシップ」は男女16名が一緒に競い合うというジェンダーニュートラルなレースデザインが大きな特徴ですが、先日FIM(国際モーターサイクリズム連盟)が発表した、2022年開催予定の電動バイク競技「FIM E-エクスプローラー・ワールドカップ」も男女が参加対象という形態になっています。

長年モータースポーツの世界は、「男の世界」という状況が続きました。もちろん女性クラスの競技者やメディア・広報関係者、そしてグリッドガールやチームクルーとしての女性の参加は、年を追うごとに増加傾向にありますが、それでも男性が支配するという構造に変わりはありません。

ただ、これは極端にモータースポーツが、マチズモ(男性優位主義)というワケではありません。男女平等がまだまだ完璧とは言えない、世の中の縮図的な現象にすぎないでしょう。その点で新しい2輪モータースポーツの創設である「CAKE Kalk ワン・デザイン・グローバル・チャンピオンシップ」や「FIM E-エクスプローラー・ワールドカップ」が、男女が同じルールで競い合う形態をとっているのが興味深いです。

女性も男性同じ舞台で競技を楽しめるということは、新たな女性の競技者やモータースポーツファンの層の掘り起こしにつながるかもしれません。「男子校」的なノリがお好みの方には、面白くないムーブメントなのかもしれませんけど(苦笑)。

ともあれ、「2輪レースを一般の人々に復活させる」という大きな野望を秘めた「CAKE Kalk ワン・デザイン・グローバル・チャンピオンシップ」の模様は、レッドブル・メディアハウスのオーストリアブランチが取材を担当して報じる予定とのことですので、8月のイベント開催日を楽しみに待ちたいです!

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