純粋なモーターサイクルのEV(電動車)のみ・・・ではなく、ハイブリッド車そのほか様々な古今東西の「ローエミッション」な2輪車を紹介する連載企画。今回は本格フルサイズ電動トライアルマシンのパイオニア、エレクトリックモーションのEPURE(イーピュア)シリーズを紹介します。

創業は2010年! コンペティションにも熱心に参加しています!

フランスのEM=エレクトリックモーションは、2010年に創業した新興メーカーですが、フルサイズの本格電動トライアルマシンを作るメーカーとしてはパイオニア的存在であり、「最新の老舗」とも呼べる存在です。同社社長のフィリップ・アレステンは、元々ICE(内燃機関)車トライアルマシンを作るスコルパの社長で、スコルパがシェルコ傘下になったのを機にEM創業をすることになりました。

2輪EV開発期間を経て、同社初の電動トライアルであるEM LITEは2012年末に完成。そして2013年には、競技用モデルのEMスポーツ(その後、EM5.7に発展)がデビュー。EM5.7はバスティアン・イエットのライディングでフランスのトライアル選手権に参戦。ICE車のライバル相手に4位入賞をするなど、電動トライアルの可能性を実証することに成功します。

画像: EM STORY youtu.be

EM STORY

youtu.be

2014年もイエットはEMファクトリーライダーとしてフランス・トライアル選手権に参戦。シニア2カテゴリーで優勝し、参戦2年目で表彰台の頂点に立つ偉業を成し遂げています。また同年、EMは電動トライアルとして初めて、FIM世界選手権に参戦(賞典外)。2017年からスタートしたFIMのトライアルE ワールドカップにもEMは毎年参戦し、コンペティション活動で得たノウハウを積極的に製品造りにフィードバックしています。

2019年から、EPUREシリーズをリリース!

2015年にEMは、全世界に500人の顧客を獲得。2016年には世界の20箇所以上に「EMスポット・テストセンター」を設立し、年毎にマーケットを世界に拡大することに成功しています。そして2019年にはそれまでの小さな質素な工場から、近代的設備を持つ新工場へ移転。この新体制の下で生み出されたのが、従来モデルよりも大幅なアップデートを果たした電動トライアルマシン、イーピュア・シリーズです。

画像: 現行モデルの、イーピュアシリーズのトップモデル、「EPURE RACE」。 www.electric-motion.fr

現行モデルの、イーピュアシリーズのトップモデル、「EPURE RACE」。

www.electric-motion.fr

現行のイーピュア・シリーズは、ライト、スポーツ、レースの3モデルがラインアップされています。「ライト」はいわゆるエントリーモデルですが、そのバッテリーとモーターは上位モデルと同じ物を搭載。搭載された3つのパワーマップを、自分の技量やコース状況に応じて変更することで、パワー特性をアジャストすることが可能です。

そして「スポーツ」は、ライトではオプション扱いのPRB=プログレッシブ・リジェネレイティブ・ブレーキと、PELS=プログレッシブ・エレクトロニック・レバー・スイッチを左ハンドルに標準装備しています。

画像: 左ハンドル側のPRBを有効にすると、左手レバーがリアブレーキのように機能して回生が働き、バッテリー充電しながらの減速が可能になります。またPELSを有効にすれば、左手レバーがクラッチ的に機能し、後輪への電力供給を素早くカットすることができます。もちろんレバーを戻せば、後輪へのパワーは瞬時に回復します。PRBとPELSの切り替えは、樹脂製のトップカバーを外し、配線プラグの向きを変えるだけで簡単に行えます。 www.electricmotion-usa.com

左ハンドル側のPRBを有効にすると、左手レバーがリアブレーキのように機能して回生が働き、バッテリー充電しながらの減速が可能になります。またPELSを有効にすれば、左手レバーがクラッチ的に機能し、後輪への電力供給を素早くカットすることができます。もちろんレバーを戻せば、後輪へのパワーは瞬時に回復します。PRBとPELSの切り替えは、樹脂製のトップカバーを外し、配線プラグの向きを変えるだけで簡単に行えます。

www.electricmotion-usa.com

そして最上級の「レース」は油圧ダイヤフラム式クラッチを採用し、ICE搭載トライアル車と「ガチ」で戦うことを目的に作られています。クラッチの採用によりイーピュア・レースは、かつてのEM5.7よりもセクションの走破性や、クリーンのとりやすさをはるかに向上させています。

画像: EM x NILS - From the Factory to the Race youtu.be

EM x NILS - From the Factory to the Race

youtu.be
画像: EM - TRIAL E WORLD CHAMPIONSHIP 2020 - Trial GP Italy (Last Round) youtu.be

EM - TRIAL E WORLD CHAMPIONSHIP 2020 - Trial GP Italy (Last Round)

youtu.be

嬉しいことに!! 日本でもEMを購入することは可能です!

なおEMの製品は、日本ではトライアルプロショップ トライアルスナリタで取扱しています! 同社の成田匠さんは、1990年代FIMトライアル世界選手権で活躍した名手で、EM設立間もないころからEMと関わってきた人物でもあります。

画像: 2018年に成田匠さんは、EMのEPUREプロトタイプでトライアルE(ベルギー)に参戦。5位のリザルトを残しています。 www.facebook.com

2018年に成田匠さんは、EMのEPUREプロトタイプでトライアルE(ベルギー)に参戦。5位のリザルトを残しています。

www.facebook.com

本格電動トライアルマシンのEMの走りを、日本でも体験することができるのはありがたいですね! 詳しくは、下記のリンクからお問い合わせください!

エレクトリックモーション イーピュア・レース 主要諸元 ※2021年型
バッテリー リチウムイオン式 50.4V 容量 1,875Wh ライフサイクル 1,000回 充電時間 3Hours w/15A標準充電器(2.25Hours w/25Aオプション充電器) 航続距離 26.5マイル(42.6km)定格出力 6kW 最高出力 11kW クラッチ 油圧式
フレーム 15CDV6スチール スイングアーム アルミ合金 サスペンション 前 テックレーシングアルミニウム 6.9インチ(175.3mm)トラベル 後 R16V 6.7インチ(170.2mm)トラベル タイヤサイズ 前 2.75-21 後 4.00-18 ブレーキ 前 182mmディスク 後 150mmディスク 車重 75kg ホイールベース 52.2インチ(1,325mm) 最低地上高 12.6インチ(320mm)シート高 26.4インチ(670.5mm)

コメントを読む・書く

This article is a sponsored article by
''.