去る4月にヤマハは、ハイパーEV向け電動モーターユニットの試作開発受託を開始したことをアナウンスするとともに、最大出力350kWクラス(動作電圧800V)の電動モーターユニットを開発したことを公表しました。350kWとはつまり・・・475馬力! 4輪向けのハナシではありますが、コレで2輪EVを作ったらスゴいものが出来そうです?

業界最高クラスの出力密度

そもそもヤマハは2020年より、4輪をはじめとするモビリティ向け電動モーター(35~200kW)の試作開発を受託しています。長年馬力表示に慣れ親しんだオジサン(私)には、キロワット表示ってその実を理解するのに時間かかるのですが、35〜200kWということは47.6〜271.9馬力ってことですね(苦笑)。

今世界では、来たる将来のEV普及期を見据え各業界でさまざまな動きがありますが、ICE(内燃機)自動車業界で各エンジンサプライヤーが活躍したように、将来は高性能電動モーターのサプライヤーが活躍することが予想されます。ICEのサプライヤーとして数々の実績を積んでいるヤマハが、EV時代到来をにらんで電動モーターの試作開発受託をするのは自然な流れといえるでしょう。

画像: ヤマハが開発した、最大出力350kWクラス(動作電圧800V)の電動モーターユニット。 global.yamaha-motor.com

ヤマハが開発した、最大出力350kWクラス(動作電圧800V)の電動モーターユニット。

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4月12日発表されたハイパーEV向け最大350kW≒475馬力の試作電動モーターユニットは、油冷方式の永久磁石埋込型同期モーターですが、冷却方式や最大出力は試作開発を依頼する顧客のニーズにあわせて対応・・・とのことです。この試作電動モーターユニットはギア、インバーターを一体化したコンパクトな機電一体型が特徴であり、車両へ複数ユニットを搭載する用途が想定されています。

動画の中に登場するテスト車は・・・?

ヤマハはこの350kW試作電動モーターユニットなどを、5月26日~28日に開催予定だった「人とくるまのテクノロジー展2021横浜」で公開することを告知していましたが、COVID-19パンデミックのためパシフィコ横浜での開催は中止となりました。

※オンラインイベントの「人とくるまのテクノロジー展2021オンライン」は開催しています。

こちらに紹介するYouTube動画は5月26日に公開されたものですが、350kW試作電動モーターを中心にヤマハのEV用電動モーター作りの考え方がわかる、非常に興味深い内容になっています。

画像: 350kW試作電動モーターを4基搭載した活用イメージ図。 global.yamaha-motor.com

350kW試作電動モーターを4基搭載した活用イメージ図。

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画像: 市販車にヤマハ製EVパワーユニットを搭載した実験車両。テールランプ形状や車体のシルエットから、アルファロメオ4Cのように見えるのですが・・・? youtu.be

市販車にヤマハ製EVパワーユニットを搭載した実験車両。テールランプ形状や車体のシルエットから、アルファロメオ4Cのように見えるのですが・・・?

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動画内では、350kWの試作電動モーターを4基搭載して、4基のモーターがそれぞれ4つの駆動輪を駆動・制御するというハイパーEVのコンセプトが紹介されています。4基のモーターの総合出力は1.47MW(メガワット)・・・つまり2,000馬力!! になります。

なおヤマハのEV用モーター技術は、2輪から先行して開発されたそうです。まぁ2輪EVの場合、475馬力とか2,000馬力とかの大出力は不要だと思いますが、その技術を活かした高性能EVスポーツバイクもぜひとも開発してほしいなぁ・・・と思ってしまいました。

画像: ヤマハ発動機 ハイパーEV向け電動モーターユニット(開発者インタビュー) youtu.be

ヤマハ発動機 ハイパーEV向け電動モーターユニット(開発者インタビュー)

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